新宿駅の構内に、突然巨大なクロネコが現れたと話題になりました。現実の猫をそのまま大きくしたかのようなリアルな見た目、そしてモフモフとした毛並みに魅せられて、多くの人が列を成したことは記憶に新しいところです。

これは、ヤマト運輸の「宅急便コンパクト」を周知するためのキャンペーン。ですが、一般的なプレゼントキャンペーンとは「大きさ」がケタ違いで、それに何より、おなじみの「クロネコヤマト」のロゴマークのデフォルメ感とは真逆を行っています。

しかもこの巨大クロネコは、その大きな体で全国を行脚する予定なのだとか。そんな同社としては異例とも思えるキャンペーンについて、ヤマト運輸 広報担当の方にお話を伺いました。

新宿駅構内でキャンペーンを展開した際の一枚。巨大なクロネコが駅構内に寝そべっており、クロネコの鼻を押すと、ニャーと鳴いて口から「宅急便コンパクト」の専用ボックスに入った景品がもらえる

――巨大クロネコのキャンペーンは、「宅急便コンパクト」(小さな物を送るための新サービス)のPRということですが、"コンパクト"なものをPRするにもかかわらず、これだけ巨大なクロネコを起用した狙いは?

宅急便コンパクトのTVCMでは「(黒猫よりも)小さいTOKIOが紹介する商品」として紹介を行っています。そのため、CM中のTOKIOの目線で見る黒猫が、巨大クロネコに見えることから発想しています。

これ以前、渋谷駅にモフモフとした毛を使った大きなネコの顔の交通広告を出していましたので、発展版としての見え方が必要であると考えておりました。何より、単純な狙いとして「大きさ」が与えるインパクトは強く、そのためこのような企画となりました。

――超巨大クロネコのインパクトはとても強いものですが、通常のクロネコヤマトのロゴマークよりもリアルめというか、実際の黒猫に近いデザインです。慣れ親しまれたロゴではなく、リアルな猫にしたのはなぜですか?

小さいTOKIOが出てくるCMをはじめ、「宅急便コンパクト」の広告やキャンペーンでは、すべてリアルなネコを使用しているためです。

また、リアルである方が目立つと想定していました。「こわい」、「きもちわるい」など、多少そういった感情がはいることで、より一層楽しんでもらえることができると考えました。

――巨大クロネコの鼻を押すと口からボックスが出る福引形式のイベントですが、巨大クロネコがボックスを出すしくみはどうなっていたのでしょうか?

巨大クロネコの中にベルトコンベヤーを設置し、おしり側から箱を補充して運んでいます。

――巨大クロネコの口から飛び出すオリジナルグッズはかなり凝ったデザインで、多数のバリエーションを展開されたそうですね。キャンペーンの景品というと2~3種類程度がふつうのような印象がありますが、これだけ多数のバリエーションを作ったのはどうしてですか?

新宿駅展開時の展示の様子。壁一面にさまざまなクロネコグッズが飾られた

巨大クロネコから出てくる箱に入った商品は、全部で4種類です。それ以外に100種類のオリジナルデザイングッズを制作したのは、「宅急便コンパクトにはこんなにいろんな用途があるんです」というメッセージをわかりやすく説明するためです。

巨大クロネコのとなりに現物を展示することで、ひとつひとつを楽しみながら見ていただくことに成功しました。

――最後に、キャンペーンが気になっている読者に対してメッセージをお願いします。

このキャンペーンをきっかけに、宅急便コンパクトという新しい商品を知ってもらい、小さなものにちょうどいい大きさの専用BOXを実際に使用していただきたいです。同時に、巨大クロネコ以外にも、宅急便コンパクトのキャンペーンページでの、箱に入った写真を投稿する「ニャン箱コンテスト」やYoutubeで掲載している「クロネコの宅急便コンパクト専用BOXの組み立て方」動画を楽しんでいただければ。

そして今週末24日・25日には、香川県・高松市に巨大クロネコが登場します。お近くの方はぜひ巨大クロネコと触れあっていただければと思います。


"コンパクト"な宅急便を世に知らせるため、あえて巨大さで人目を引きつけるアイデアで大反響を呼んだ「巨大クロネコ」キャンペーン。直近では高松に出没予定の巨大クロネコですが、新宿での大人気を考慮して、当日まで会場は非公開にするのだとか(整理券配布は11時~)。お近くの人は、当日SNSなどで情報を見て足を運んでみるといいかもしれません。