いまやカーオーディオにBluetoothは当たり前、iPhoneに入れた音楽をワイヤレスで楽しむ人も多いはず。Apple Musicを契約していれば数百万曲を聴き放題、iTunesと同期する手間もかからない。車種によっては、ハンドル付近に音量調整や曲スキップのボタンが配置されているため、運転中でも安全に操作できる。

アーティストやアルバムを変える場合は、画面を見ながら操作することが前提だが、抜け道がある。音声アシスタント「Siri」に命令するのだ。iPhone 6s/6s Plusであれば、電源に接続していない状態でも「ヘイ、シリ」に続けてアーティスト名とアルバム名/曲名を告げればいい。安全に選曲できるので、いちど使えばその価値を理解できることだろう。

しかし、Siriを日本語モードで利用していると、「英語の日本語読みの認識精度」という難題にぶつかる。日本語らしいアーティスト名/曲名の認識に問題がなくても、外国人/外国語の場合そうはいかない。珍妙な日本語として認識され、そんな曲はライブラリにもApple Musicにもない、とにべもなく断られるだけだ。

もし再生する曲が英語圏で活動するアーティスト中心であれば、Siriの言語モードを英語に変更してみよう。そうすれば、アーティスト名/曲名が日本語混じりで認識されることはなくなり、何度も言い直すストレスは減る。当然、英語らしい発音を心がける必要はあるが、いわゆる"ローマ字読み"でなければ認識精度はアップする。とんでもない誤認識は、かなり減るに違いない。

なお、「ヘイ、シリ」は言語モードごとに登録する必要があるため、英語モードに切り替えたあと発音し直さなければならないが、そのときの発音は「ヘイ、シリ」ではなく「ヘイ、スィァリ」(イとアはごく短く)となることに注意。ネイティブスピーカーに近い発音を認められないかぎり、英語モードに切り替えられないので念のため。

操作手順をカンタン解説

1 Siriにブラック・サバス(Black Sabbath)の「パラノイド」という曲をリクエストしたが、なぜか英語とカナが混じって認識された。洋楽中心のリスナーにとっては困った事態だ

2 Siriを音楽再生に使う間だけ、言語モードを日本語から英語に変更する。『設定』→「一般」→「Siri」→「言語」の順にタップしよう

3 言語モードを変更すると「Hey Siri」がオフになるため、英語モードで登録し直さなければならない

4 日本語では「ヘイ、シリ」で認識されても、英語では「ヘイ、スィァリ」となる。「How's the weather today?」などの例文も、ネイティブスピーカーを目指して発音しよう