筆者は東京都内にある約60のカプセルホテルを、女性専用施設を除いて全て制覇している(2014年末現在)。その体験から、「本当に泊まって良かった」と感じたカプセルホテルベスト20を紹介したいと思う。今回は前編のベスト20~11に続き、後編としてベスト10~1まで紹介したい。

いずれの施設も一長一短はあるが、大浴場をはじめとしたパブリックスペースの充実度、清潔感やアメニティー、コストパフォーマンスの観点から選んだ。あくまでも筆者の主観的な選択という前提で、ご参考いただければ幸いである。

10位: カプセルホテル&サウナ北欧(上野)

カプセルホテル&サウナ北欧(上野)

上野のカプセルホテルはアメ横周辺に集中しているが、浅草口徒歩1分という利便性の高い立地がうれしい施設。露天風呂も備えた「準天然温泉トゴールの湯」は新潟県栃尾又温泉付近から産出される風化鉱物を用いた湯で、開放的で特筆すべき空間となっている。館内そのものも明るく清潔感がある。2~4階にあるカプセルルームは、一般的なカプセルより一回り広く作られておりくつろげる。
住所: 台東区上野7丁目2-16(JR上野駅より徒歩1分)

9位: サウナ&カプセル ニューウイング(錦糸町)

サウナ&カプセル ニューウイング(錦糸町)

秋葉原駅より電車で7分の繁華街・錦糸町にはカプセルホテルも点在するが、その中でも好立地のイチオシ施設。二股カルシウム温泉や2種類のサウナなど設備充実の大浴場は、アメニティーも豊富で素晴らしい。また、シアタールームやマンガコーナーなど完備、カプセルスペースには高級羽毛布団が用意されている。
住所: 墨田区江東橋2丁目6-11(JR錦糸町駅より徒歩3分)

8位: サウナ&カプセルホテル ダンディ(上野)

サウナ&カプセルホテル ダンディ(上野)

JR上野駅と御徒町駅、東京メトロからも至近の好立地で、カプセルホテル激戦区・上野においてオススメの1軒。ダイニングバーがあるなどパブリックスペースも充実している。館内は全般的に明るくハイセンス。暗い印象の旧態型施設も多いカプセルホテルだがこのオシャレ感はうれしい。サウナ、露天風呂など大浴場もオススメ。
住所: 台東区上野2丁目6-11(地下鉄銀座線上野広小路駅より徒歩1分)

7位: ファーストキャビン秋葉原(秋葉原)

ファーストキャビン秋葉原(秋葉原)

もはやカプセルホテルとは言えない「キャビンタイプ」が特徴の施設。「コンパクト&ラグジュアリー」がコンセプトで、飛行機のファーストクラスをイメージしている。女性も利用できるカプセルホテルは増えたが、ここではエレベーターから男女別とセキュリティにも気を遣っている。宿泊客であればチェックイン前・アウト後も自由に利用できる1階ラウンジは使い勝手がよい。
住所: 千代田区神田佐久間町3-38(JR秋葉原駅より徒歩4分)

6位: グリーンプラザ新宿(新宿)

グリーンプラザ新宿(新宿)

歌舞伎町の一等地にある有名なカプセルホテルで、男性専用の他に女性専用施設も設けている。特に大浴場の充実度は特筆すべきところがある。フロントからパブリックスペース、カプセルスペースへの導線もよく、システムなどの利用しやすさもピカ一だ。館内に居酒屋やカフェバーも有するが、歌舞伎町という場所柄、周辺飲食店の充実度も高い。
住所: 新宿区歌舞伎町1丁目29-2(西武新宿線西武新宿駅より徒歩1分)

5位: 豪華カプセルホテル安心お宿 新橋駅前店(新橋)

豪華カプセルホテル安心お宿 新橋駅前店(新橋)

都内に3店舗を展開している豪華カプセルホテル安心お宿の特徴として挙げられるのが、「駅からの近さ」だ。全店駅から徒歩2分以内だが、新橋はなんと「30秒」である。飲食店も豊富な便利な立地はうれしい。安心お宿全店で、カプセルスペースではシモンズの寝具を用いるなど、最先端の進化型チェーンだ。女性受けしそうな施設だが、安心お宿は全店男性専用となっている。
住所: 港区新橋3丁目21-6(JR新橋駅より徒歩30秒)

4位: 豪華カプセルホテル安心お宿 秋葉原電気街店(秋葉原)

豪華カプセルホテル安心お宿 秋葉原電気街店(秋葉原)

JR秋葉原駅・電気街口から中央通りに出て万世橋方面へ徒歩2分という好立地。向かいには、姉妹店の人気マルチエンターエインメント施設である「パセラリゾーツAKIBAマルチエンターテインメント」の大きなハニトー看板が。利用者目線をとことん追求するという両店の共通するコンセプトに納得。
住所: 千代田区外神田1丁目2-12(JR秋葉原駅より徒歩2分)

3位: ファーストキャビン羽田空港ターミナル1(羽田)

ファーストキャビン羽田空港ターミナル1(羽田)

都内に4店のほか、京都、大阪、福岡にも展開している同ホテルでは、カプセルホテルでよく使われている上下二段のカプセルではなく、上下の空間を確保した直立できるキャビンタイプを採用している。2014年には羽田空港第1ターミナル内にもオープン。飛行機の機内がコンセプトの館内では、就寝スペースのキャビンに「ファーストクラス」「ビジネスクラス」の2クラス制を設置。ビジネスクラスは専有面積2.2平方メートルで100cm幅のベッド、ファーストクラスは4.4平方メートルで120cmのベッドを完備している。女性の利用もOKだ。
住所: 大田区羽田空港3丁目3-2(羽田空港第1旅客ターミナル1F)

2位: カプセルホテル SLEEPS北千住(北千住)

カプセルホテル SLEEPS北千住(北千住)

スタイリッシュなモノトーンの外観に、何とバーまで設置するカプセルホテルが北千住に誕生した。内部も外観を裏切らないオシャレ度。カプセルホテルではビニールスリッパなどの使い回しスリッパが一般的だが、こちらは各自専用となるパイル地の「お持ち帰りスリッパ」を採用している。大浴場はサウナにジャグジーなど充実設備。カプセルスペースにも高級感が漂い、何より清潔感がうれしい。
住所: 足立区千住仲町40-9(地下鉄千代田線北千住駅徒歩2分)

1位: 豪華カプセルホテル安心お宿プレミア新宿駅前店(新宿)

豪華カプセルホテル安心お宿プレミア新宿駅前店(新宿)

新橋と秋葉原へ展開していた人気カプセルホテルチェーンが「プレミア」を冠して新宿の一等地へ進出。"カプセルホテル"と"豪華"。一見相反するワードだが、実際にチェックインしてみると豪華の意味がよく分かる。設備の充実度はもちろん、ティッシュペーパーのクオリティーにまで気を配る。これでもかのアメニティーとフリードリンクから味噌汁、マッサージチェアまでとにかく安心お宿全店に共通する無料尽くしに驚愕。
住所: 新宿区新宿4丁目2-10(JR新宿駅より徒歩1分30秒)


以上、2014年に泊まって良かった東京カプセルホテルベスト20を紹介したが、東京に限らず、都市部を中心に新たな進化型施設も多く誕生している。今後も秀逸なコンセプトのカプセルホテルを紹介していきたい。

※記事中の情報は2015年8月取材時のもの

筆者プロフィール: 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)

ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。

「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」