【レポート】

Windows 10 MobileのContinuum、スマホがPC本体になる時代はすぐそこに - 阿久津良和のWindows Weekly Report

スマートフォン市場の掌握が将来の成功につながることをMicrosoftは理解している。だからこそNokia買収を発表し、"One Windows"のもと、PCからスマートフォン、IoTまでを包含するプラットフォーム化を目指してきた。そして、年内にWindows 10 Mobileを搭載したLumia 950および950XLをリリースする。

Lumia 950/950XLを手にするMicrosoft Surface担当CVPのPanos Panay氏

Lumia 950/950XLはUSB Type-Cをサポートする

米国時間10月6日に発表されたLumia 950/950XLは、Microsoft製スマートフォンのフラグシップモデルだ。その注目すべき機能のハイライトが「Continuum(コンティニュアム)」だ。

Continuumは、Windows 10 MobileデバイスをHDMIディスプレイやBluetoothキーボードと接続して、デスクトップPCのように使用する機能である。当初はデバイス側にHDMIポートなどを搭載するかと推測していたが、Microsoftは「Display Dock」と呼ばれるドックを用意した。

LumiaデバイスおよびMicrosoft Display Dockの使用イメージ

このDisplay Dock経由でディスプレイやキーボード、マウスなどを接続することでPCライクな操作が可能になるが、興味深いのは外部出力映像と手元のLumiaデバイスで異なる操作を実現できる点だ。例えば、Continuumによるデスクトップ作業中でも、スマートフォンに届いたメールを閲覧するといったハイブリッドな利用を行える。

Lumiaシリーズと接続してContinuumを実現する「Microsoft Display Dock」

Continuumの実演デモンストレーション。スタートボタンを押すとWindows 10 Mobileのスタート画面(?)が現れる

外部ディスプレイに映し出された映像とLumiaデバイスを見比べると、異なるアプリケーションが動作している

PowerPointを使って、Wordから図版の貼り付けやエクスプローラー経由で画像ファイルを貼り付けるなど、その実用性を示していた

Continuumはビジネスシーンだけではなく、プライベートでも活用できることをMicorosoftはアピールしている。6日の発表会では、Lumiaデバイスにストア経由でダウンロードした動画ファイルをフルHD/60fpsで外部ディスプレイに映し出すデモンストレーションを披露していたが、この点に関しては説明が必要だろう。

スマートフォンから外部ディスプレイに映像を出力するだけなら、すでにiPhoneでもAndroid端末でも可能であり、決して目新しいものではない。ただ、この点に関してMicrosoftを評価すべきは、Display Dockによってデバイスの拡張性を高めたことだ。Microsoftが目指しているのは、スマートフォンを使ってクラウド上のデータにアクセスし、どのような場所でもPCと同じような体験が得られることであると推測できるだろう。

「映画&ビデオ」はユニバーサルWindowsアプリのため、Windows 10 Mobileでもそのまま動作する

ダウンロードした映画コンテンツはそのまま外部ディスプレイで楽しめる

Snapdragon 808/810は発熱問題で有名だが、その対策としてLumia 950/950XLは「Liquid Cooling Technology(液体冷却技術)」を導入している

価格はLumia 950が549ドル、Lumia 950XLが649ドル。Snapdragon 808/810搭載モデルとしては割高に感じるが、20メガピクセルのカメラやGorilla Glass 4を採用していることを踏まえると妥当な価格設定だ。

気になるのは日本国内のリリース次期だが、現時点では「しばらく先」という不明確な言い方になってしまう。日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏は、Lumiaシリーズの日本市場投入に対しては口が重く、近々の展開から察するに法人展開やOEMパートナーを優先しているようだ。

個人的にはLumiaシリーズの日本市場投入は、Android用アプリケーションのコードをWindows 10 Mobile用に移植可能にする「Project Astoria」や、iOS用アプリケーションのコード(Objective-C)を同様に移植可能にする「Project Islandwood」の成功後がベストと考えるが、日本マイクロソフトも「(Lumiaシリーズの国内展開を)やらない」とは断言していない。同社には、One Windowsビジョンを実現するための行動を期待したい。

阿久津良和(Cactus)

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