キスで感染する歯周病 - 多忙なサラリーマンやOLも歯周病リスクが増大 | マイナビニュース

【レポート】

キスで感染する歯周病 - 多忙なサラリーマンやOLも歯周病リスクが増大

 

歯周病はキスでも感染する可能性がある

口臭の原因としても広く知られている歯周病。放置しておけば最終的には抜歯の必要性も出てくるが、一体どのような原因で歯周病になるのかをきちんと理解しているだろうか。

本稿では、M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長の今村美穂医師の解説をもとに、歯周病の原因などを紹介していこう。

歯周病が起こるメカニズム

歯周病は歯垢(プラーク)内の細菌によって引き起こされる炎症性疾患。歯と歯ぐき(歯肉)の境目(歯肉溝)を清潔にしていないと、そこに多くの細菌が停滞してしまう。すると、歯ぐきが炎症(歯肉炎)を起こして腫れてしまうが、自覚症状は感じないケースがほとんどだ。

そのまま進行して「歯周炎」の状態にまでなると、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきの境目が深くなり、歯を支える土台が溶けて歯が動くようになり、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまう。

「口腔(こうくう)内にはおよそ300~500種類の常在菌(常にある菌)が住んでいます。普段は無害ですが、歯磨きが不十分だったり、砂糖を過剰摂取したりすると、これらの細菌が粘性の物質を作り出し、歯の表面に付着します。これが歯垢で、1mgの歯垢の中には10億個の細菌が住みついていると言われています。この10億個の細菌の中にある歯周病原菌と呼ばれる何十種類もの細菌が、歯周病に関わっていると言われています」。

歯周病はキスでも感染する

歯周病は歯周病菌による接触感染で、人から人へと移る感染症だ。口移しの食事や箸・食器類の共用、キスなどによって親子や夫婦、恋人間で感染する。歯周病菌は早ければ、生後6カ月で口腔内に住み着き、最初の感染例として最も多いのは幼少期の親からの感染だという。

そしてその感染リスクは、「遺伝的要因」と喫煙やストレスなどの「環境要因」などによって変動する。特に喫煙者の感染リスクは、非喫煙者に比べて5~8倍にも跳ね上がると言われている。ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させるため、多忙なサラリーマンやOLも要注意と言えるだろう。

今村医師は「ご夫婦やカップルのどちらかが歯周病と診断されたら、そろって歯科を受診することをお勧めします」と話す。

歯周病の進行を早める要因

それでは、歯周病の進行を早めてしまう要因にはどのようなものがあるだろうか。簡単にまとめたので、該当項目が多い人は注意しよう。

■歯垢がたまりやすい不均一な歯並び

■歯石(歯垢がカルシウム成分で固まった物)が3カ月以内に付きやすい

■不規則な食生活(歯垢がひっきりなしに付きやすい)

■甘い物や軟らかい物を多く食べるなどの歯垢の付きやすい食生活

■縁が合っていない歯の詰め物・かぶせ物(段差部分に歯垢がたまる)

■喫煙

■口呼吸(口の中が乾き、歯垢が付きやすくなる)

■ストレス

■妊娠や更年期などのホルモンバランスの変調

「昔に比べて砂糖の摂取量も増えており、歯並びも悪くなってきているので、歯周病菌が生息しやすい環境になってきています。また、詰め物に関して言えば、普通の歯と人工物の間には必ずすき間ができますので、そこも菌にとっては最適な環境と言えますね」。

特に日本人は先進国の中でも歯並びが悪いとされており、諸外国に比べて歯周病が発生しやすい素地が整っている。日ごろからの積極的な歯磨きを心がけ、それでも口臭など歯周病が疑われるような症状が出ていた場合、歯科医院を訪れるようにしてみよう。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 今村美穂(いまむら みほ)

M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長、MIHO歯科予防研究所 代表。日本歯科大学卒業、日本大学矯正科研修、DMACC大学(米アイオワ州)にて予防歯科プログラム作成のため渡米、研究を行う。1996年にDMACC大学卒業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医・専門医。研究内容は歯科予防・口腔機能と形態 及び顎関節を含む口腔顔面の機能障害。MOSセミナー(歯科矯正セミナー、MFT口腔筋機能療法セミナー)主宰。
関連キーワード

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事