10月10日から「東京駅~日本橋 昭和レトロめぐり」開催!! (写真はグランルーフ2階デッキ上特設会場のパネル)

東京駅~日本橋エリアでは10月10日~11月3日、イベント「東京駅~日本橋 昭和レトロめぐり」が開催される。古くから日本の交通の要所となってきた東京駅~日本橋エリアで、"昭和レトロ"を感じられるスポットや催しが数多く登場する同イベント。開催に先駆けて体験した一部要素と共に、その魅力を紹介しよう。

今年は"昭和90年"!?

同イベントは、東京ステーションシティ運営協議会・大丸松坂屋百貨店・高島屋・三井不動産・三越伊勢丹・八重洲地下街の6者共同で行われる。東京駅~日本橋エリアでは2014年にも、八重洲地下街を除く5者共同で「あるこう! 東京駅~日本橋 百年散策」という散策イベントが行われ、約3万人の人々が同エリアを訪れた。

「百年散策」は東京駅の開業100週年を記念した企画だったが、2015年は、仮に昭和の元号に直すと"昭和90年"にあたる節目の年。そこで、今年は歴史の中でも「昭和」にまつわるスポットに注目したさまざまな催しが行われる。

イベント開催より1日早い10月9日からは、JR東京駅・グランルーフ2階デッキ上に"昭和レトロ"な特設会場が出現。昔懐かしい駄菓子屋で駄菓子を購入できるほか、畳敷きにちゃぶ台を置いた"昭和"を感じさせる展示スペースなども設置されている。なお、同スポットの営業時間は10:00~17:00となっている。

なつかしの駄菓子屋

畳敷きにちゃぶ台を置いた"昭和"な展示スペースも

一生ものの"記念レプリカ硬券"をもらおう

10月10日~11月3日のイベント期間中には、エリア内6施設にてオリジナルの散策マップの記念レプリカ硬券を配布する。散策マップは、昭和初期まで親しまれていたという「絵すごろく」風のデザイン。実際にサイコロを振って出た目によって行き先を決められるようになっており、すごろく気分で東京散策を楽しめる。行き先として紹介されているのは、昭和に建てられた建築など"昭和レトロ"を感じる16スポットだ。

「絵すごろく」風にアレンジされた散策マップ

同様の6施設でもらえる記念レプリカ硬券は、かつて鉄道の切符として広く用いられていた厚紙の乗車券・硬券を同イベントオリジナルのデザインで再現したもの。実際に用いられていた硬券と同じ印刷機と板紙、製法で作成されている。配布施設によってデザインが異なり、JR東京駅の配布場所ではコレクション用の記念台紙も一緒にもらえる。ぜひ、6枚全て集めたい。

なお、散策マップと記念レプリカ硬券の配布はなくなり次第終了となる。配布場所となる6施設は、JR東京駅・大丸東京店・日本橋高島屋・日本橋三越本店・コレド室町1・八重洲地下街で、配布時間などの詳細はイベント公式サイトにて公開されている。

全6種の記念レプリカ硬券(写真左上から時計回りに、JR東京駅・大丸東京店・八重洲地下街・コレド室町1・日本橋三越本店・日本橋高島屋で配布されるもの)

裏面はこんな感じ

記念レプリカ硬券で"本物"の入鋏体験

10月10日~12日・31日、11月1日・3日の計6日間は、マップ・硬券を配布する6施設にて元駅員による入鋏実演イベントも行われる。"入鋏(にゅうきょう)"とは、鉄道などの乗車券に、係員が穴を開けるなどして印をつけることだ。自動改札機が普及する以前は、駅員が「改札鋏(かいさつきょう)」という器具で乗車券に穴を開けることで改札を行う駅が多かった。

この入鋏実演、各施設でもらえる記念レプリカ硬券に入鋏してもらえるので、各スポットをめぐった証としてぜひとも体験しておきたい。入鋏を行う元駅員が使用する器具は、実際に使用されていた改札鋏だというのだから本格的だ。

元駅員が硬券に入鋏してくれる

改札鋏は、駅によって開ける穴の形が異なっていたという。同イベントで開けてもらえる穴の形も各施設によって異なっており、東京駅では"東京駅"、大丸東京店では"有楽町駅"、日本橋高島屋では"予備鋏"、日本橋三越本店では"新日本橋駅"、コレド室町1では"関内駅"、八重洲地下街では"桜木町駅"の改札鋏が使われる。日本橋高島屋の"予備鋏"とは、複数の駅で午前のみなどで使用されたという器具のことだ。それぞれの穴がどんな形をしているか、ぜひ実際に入鋏を体験して確かめてほしい。入鋏実演イベントの開催時間は各日10:00~15:00となる。

"東京駅"の印がついた記念レプリカ硬券(開けてもらった穴は写真右下)

改札鋏で開ける穴の形は駅によって違うそう

レトロかわいいラッピングバスで街めぐり

散策は楽しいけれど、エリア内を歩いて回るのはちょっと疲れる……。そんな人には、イベント期間中の土・日曜日および祝日(10月11日・25日を除く)限定で運行する無料のラッピングトロリーバスがおすすめだ。

このバスに施されたラッピングは、昭和30年台を中心に日本橋エリアを走っていた"黄色に赤帯"デザインの都電車両・6012号をイメージしたものだ。内装もレトロな雰囲気で、座席は全て窓の方を向いた景色を堪能できるレイアウト。さらに、車両後方部は屋根付きのオープンエアの席になっており、風を感じながらバスの旅を楽しめる。

限定運行のラッピングトロリーバス

車両後方はオープンエアになっている

レトロな内装

座席は全席窓の方を向いている

同バスの乗降口は、「コレド室町前」と「人形町甘酒横丁入口」の2カ所。運行ルートは、「コレド室町前」から浜町を経由して「人形町甘酒横丁入口」までをめぐる「人形町ルート」と、「人形町甘酒横丁入口」から日本橋を経由して東京駅前を通り、「コレド室町2」前の乗降口に至る「東京駅ルート」の2種類となる。また、「人形町ルート」では「浜町公園入口」で、「東京駅ルート」では「日本橋高島屋前」と「東京駅八重洲口」で途中下車も可能だ。

ラッピングトロリーバスの運行ルート

バスの運行ルート上からは、散策マップに載っているスポットもいくつか見ることができる。マップには昭和当時の写真も載っているため、車窓から見比べてみて景色の移り変わりを楽しむのも良い。記念レプリカ硬券を持って乗れば、気分はさながら鉄道旅だ。なお、同バスでは各ルートの終点で乗客の入れ替えが行われる。同じ車両に乗ったままエリアをぐるっと一周することはできないのでご注意を。

マップと車窓の景色を見比べる

車内で硬券を眺めてニヤニヤしよう

最先端のスポットと、昭和の息づかいが残る古きよきスポットが共存する東京の街。平成27年ではなく"昭和90年"の人間として散策すれば、普段とは違った表情を見せてくれるかもしれない。昭和の風景を見てきた人も、そうでない人も、"昭和レトロ"に浸る休日を過ごしてみてはいかがだろうか。

※高島屋の「高」ははしご高