日々の仕事にパソコンは使っているが、いまいちクリエイティブな用途には使いこなせてない。そんな方って多いのではないだろうか。筆者も仕事がら、写真や動画などを扱うが、最低限の編集を行っているだけで、スキルも低く、本格的な使い方はできていない。

そんな筆者に救いとなる製品が登場した、ワコムより新しく登場した「Intuos」だ。ワコムと言えば、ペンタブレットの一大メーカーとして、プロ御用達のハイエンド製品からエントリー層向けの低価格な製品までラインナップしている。「Intuos」はエントリー層向けの新モデルだ。

従来モデルと異なるのが、新たに用途別のラインナップに変更されたこと。ペンによる操作のみでペイント用の「Intuos Draw」、ペンとタッチの両方に対応した「Intuos Art」「Intuos Photo」「Intuos Comic」などを用意。「Intuos Art」、「Intuos Comic」は本体サイズがスモールとミディアムの2種類が選択できる。パッケージにより、バンドルソフトやタッチ機能の有無などが異なっている。

今回、筆者が使ったのが、写真のレタッチ操作に最適化された「Intuos Photo」だ。手元に来たのはパッド部、本体周囲ともにブラックに統一したカラーとなったモデル。非常に引き締まった印象だ。なお、本体周囲のパッド部以外がミントブルーになったモデルも選択可能。ちなみに、「Intuos Draw」ではミントブルーとホワイトが選択できる。

今回利用したワコム「Intuos Photo」。実勢価格は1万3,820円

「Intuos Photo」ではWindows向けに「Corel PaintShop Pro」と「Corel AfterShot Pro」、Mac向けに「Macphun Pro package」と「Corel AfterShot」を無償でダウンロード提供しており、タブレットを購入するだけで、レタッチソフトも入手することができる。

ダウンロード導入ができる「Corel PaintShop Pro X8」。フル機能の最新版だ

今回はレタッチソフトとして「PaintShop Pro」をダウンロードして利用した。この「PaintShop Pro」はアドビの「PhotoShop」と並ぶ機能を搭載したレタッチソフトで、より簡単に写真の加工・編集ができる。パッケージ版の価格が1万円前後するため、このレタッチソフトが無償でダウンロードできる「Intuos Photo」は非常にお得だといえるだろう。

タッチとペンの操作を気にせずに切り替えられるのが便利

早速、「Intuos Photo」を導入してみる。付属ディスクからドライバーソフトなどをインストールして、ペンタブレット本体をUSBケーブルで接続する。なお、ワイヤレス化できるオプションも用意されている。

ダウンロード提供されるソフト類は、メーカーサイトよりユーザー登録を行い、タブレットを登録することで、ダウンロード可能となる。

本体上部左右にボタンを配置。標準では付属のUSBケーブルでPCと接続して利用する

ペンタブレット本体をUSB接続するとその時点から利用可能となる。ペンを近づけるとポインターが動き、また、指先でパッドをスライドしてもポインターが動作する。ペンの使い方のコツとしては、ポインターを移動させるときは、ペン先をギリギリの位置で動かすことだ。

また、標準設定では、パッドの四隅はPCの画面の四隅と相対しているため、ペンを大きく動かして、それぞれの位置をペン先でタッチすれば、ポインターは一気に移動して操作ができる。

PCにインストールしたワコムタブレットのプロパティ画面。パッドと画面が相対しているのがわかる

このあたりはマウスよりもノートPCのタッチパッドに近い操作感だと言える。筆者も最初はちょっと混同したが、1時間もしないうちに操作に慣れることができた。

使っていて便利だと感じたのが、「Intuos Photo」ではペンだけでなく、タッチパッドのような使い方もできることだ。タッチパッドの上部左右には、2つずつのボタンが装備されており、さまざまな機能が指定されている。たとえば、Windowsの状態では4つのボタンそれぞれに、Ctrl、Alt、Shift、そしてWindowsキーが割り付けられている。それぞれのボタンを押しながらパッドを操作することで、キーボードショートカットのような操作が片手でできるのだ。

この機能はレタッチソフトに移行してからも同じだ。「PaintShop Pro」を起動した状態では、それぞれのボタンはズームアップ、アウト、そしてブラシ、消しゴムツールに切り替わる。いちいちツールバーにあるボタンをポインターで操作しなくても済む。また、「PaintShop Pro」を使っているときも、ペン先できめ細かなブラシ操作を行い、指先に切り替えて、画面をスクロール、そしてまたペン先でブラシといった、流れるような操作ができた。