説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 9は電源なしでも「ヘイ、シリ」できるはずが、できません!?』という質問に答えます。

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これまでのSiriは、電源に接続 -- LightningケーブルでAC電源やパソコンに接続 -- しているときでなければ、「ヘイ、シリ」と話しかけて命令を伝えはじめることはできませんでした。電源の用意がないときはホームボタン長押しが必須ですから、どこでもSiriを呼び出すわけにはいきません。

しかし、iPhone 6s/6s Plusでは電源の接続が不要になりました。従来のiPhoneは、自宅やクルマの中など電源を確保しやすい場所でなければ「ヘイ、シリ」でSiriを呼び出すことができませんでしたが、これからは電源の有無に左右されません。スリープ時にも音声入力できるようプロセスを常駐させなければならないため、応分のバッテリー消費を伴いますが、先進の省エネ機構を持つiPhone 6s/6s Plusだから許された機能だと考えられます。

呼び出される可能性が増すことも対応しています。機能を有効にするときに「ヘイ、シリ」という音声パターンの登録を義務付けることで、声質やイントネーションにより持ち主を判別できるようになったのです。このしくみはiOS 9の機能として提供されるため、以前のiPhoneも同様ですが、iPhone 6s/6s Plusはそれにくわえて電源なしに呼び出すことが可能になったというわけです。

これでどこでも「ヘイ、シリ」できるようになるはずですが、現実にはそうもいきません。声質やイントネーションで持ち主を判別できるはずが、登録時との微妙な声質の違いや周囲の雑音に影響されるのか、判定精度が低下することがあるのです。何度試しても反応しない場合には、「ヘイ、シリ」のスイッチをいちどオフにして再度有効にしてみましょう。音声パターンの登録をやり直せるので、問題が解消されるかもしれません。

なお、iPhoneを低電力モードで使用しているときには、自動的に「ヘイ、シリ」が無効化されます。ステータスバーのバッテリー残量が黄色く表示されている場合は低電力モードですから、通常モードに戻すか80%以上に充電してください。

「ヘイ、シリ」と呼びかけても反応がない場合は、音声パターンの再登録を試してみましょう