ソシオネクストという会社をご存知だろうか。同社は、今年3月に富士通とパナソニックのシステムLSI事業を統合して誕生したファブレス半導体企業。京都や東京・あきる野など国内に7拠点、海外に15拠点を有し、「IoTシステム事業部」「ビジュアルシステム事業部」「グラフィックスソリューション事業部」「ネットワークSoC事業部」「ハイパフォーマンスSoC事業部」「カスタムSoC事業部」「ミルビュー事業部」「コネクテッドイメージング事業部」の8事業部で設計・開発および販売を手がけている。

ちなみに、ソシオネクスト(Socionext)という社名は、SoCを中心とする半導体製品およびサービスの提供により、社会に貢献するという同社のミッションを表現するために創作されたもので、メインのビジネス領域である「SoC」に加えて、同社の強みである「Imaging」および「Optical Transport Network(io)」、「顧客、取引先、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーにとってナンバーワンの企業となること(one)」、「つねに次の時代を見据える(next)」、「可能性を拡げていく(extention)」などの意味が込められているという。

同社は、10月7日から10月10日まで幕張メッセで開催されているCEATEC 2015に出展しており、本稿ではそこで披露された内容の一部をご紹介する。

ソシオネクストのブース

どこでも皮下脂肪を計測できるモバイル超音波ソリューション

「viewphii」はサイズが約120(高さ)×60(幅)×24(厚さ)mm、重さが約170gという超小型モバイル超音波機器。同社によれば世界最小/最軽量の超音波機器だという。コードレスかつ小型ながら、深さおよそ6~7cmまで皮下脂肪や筋肉を計測し、タブレットでリアルタイムに映像として確認することができる。また、クラウドにデータを送信・蓄積し、ビッグデータとして活用することでアプリケーションへ展開することも可能だ。

手軽に脂肪と筋肉をチェックすることができるため、病院や医療施設にいかなくてもトレーニングの効果を確認できることをメリットとしており、フィットネスジムでの導入実績があるという。

「viewphii」

タブレットで計測結果を確認できる。黄色で表示されるのが脂肪で赤色が筋肉。

輝度差を感じない全周囲立体モニタシステム

同ブースでは全周囲立体モニタシステムと画像認識技術がセットで展示されていた。同社の全周囲立体モニタシステムは、自由に視点を変えることができることや、車両周辺360度の映像を輝度差を感じずにシームレスかつ広範囲に表示できることを特徴とする。また、LSIと基本ソフトウェアをパッケージで提供するため、少ない開発工数でシステム構築が可能となることも同社の強みだとする。

一方の画像認識技術は、既存PCシステムに画像認識エンジンを追加するだけで画像認識機能の性能を100倍に向上させ、リアルタイムに100人以上の人物を検出/追跡することが可能になるというもので、監視システムや店舗などの来客動線解析システムなどへ応用できるとしている。しかし、目と鼻と口を認識して人物を検出するため、カメラに対して後ろを向いている人や人間以外の動物や障害物の検出はできないなどの課題もある。画像認識技術は自動運転車などさまざまな領域での活用が見込まれることから、今後の開発が期待される。

全周囲立体モニタシステムのデモンストレーション。巣箱のような箱の四方にカメラが取り付けられている。

全周囲立体モニタシステムと画像認識技術のデモ画面。