秋晴れに恵まれた10月7日、千葉県の幕張メッセにて最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」が開幕した。本稿では、CEATEC 2015の展示のうち、ふだんの生活に密接に関係している家電製品をピックアップして紹介しよう。

エスカレーターから「ライフ&ソサエティステージ」を望む

「コードレス」のキッチン家電

まずは「ワイヤレスパワーコンソーシアム」で見つけた「コードレスキッチン家電」から。ワイヤレスパワーコンソーシアム(以下、WPC)とは、ワイヤレス(非接触)給電技術の国際標準規格を策定する業界団体だ。電磁誘導方式をもとにしたワイヤレス給電の国際標準規格「Qi(チー)」に関連する展示が主であるものの、個人的に「実現したら(めちゃくちゃ)便利そう」だと思ったのが、今回参考出品されていたコードレスキッチン家電たち。

ワイヤレスパワーコンソーシアムで発見したコードレスキッチン家電。一見、何の変哲もない木製のキャビネット

置くと家電の電源がオンになる!

Royal Philips(日本法人はフィリップス エレクトロニクス ジャパン)もWPCに参加している団体の一つ。木製のキャビネットにしか見えないが、「ノンフライヤー」などの家電製品を置いてみると、コンセントにつないでいないにもかかわらず、スイッチが入った。

この仕組みはキャビネットを開けてみると理解できる。天板を持ち上げると、中には直径20~30cmほどのコイルが入っており、家電製品の底にもコイルが仕込まれている。送信側と受信側のコイルの間には、分厚い板が挟まっているにもかかわらず給電できていた。展示されている試作品の送信側コイルは2kWの出力が可能だそうだ。IHクッキングヒーターのように熱を発生させることを目的としておらず、電気を送るだけなので、天面は熱くもならない。

展示されているのはあくまで試作品であり、「まだ企画段階でしかないが、うまくいけば2~3年後には製品化できる」(担当者)とのことだ。

【左】開けてみると大きなコイルがあった。2kWの出力が可能だそう。Qiの「電磁誘導方式」に対して、「磁気共鳴方式」を採用【右】ノンフライヤーの底面。よく見るとコイルがあるのがわかる