革財布の選び方とお手入れ

財布を選ぶときに注目したいもう1つのポイントは素材だ。ビジネスパーソンにおすすめなのは、丈夫でエレガントな「革」。財布によく使われる革素材について、代表的な「カーフレザー」と「ブライドルレザー」の2つを紹介する。

キメが細かく柔らかい「カーフレザー」は、生後2~6カ月の子牛の革をなめしたもので、牛革の中でも最高級として知られる。「上質で美しくスーツに合いますが、傷がつきやすいので丁寧に扱う必要があります」(井波さん)。

デイリーユースにおすすめなのは、牛革に蜜ろうなどのワックスを染み込ませた「ブライドルレザー」。蜜ろうは革に強度を与える役割があり、触ってみるとカーフレザーよりも堅い。多少傷はつくが、普段使いに向いているという。

他にも「コードバン(馬革)」など、一口に「革」といってもたくさんの種類がある。見た目の美しさ、丈夫さ、どのような使い方をするかで選ぶとよいだろう。

なお革財布を使用する場合、表面の乾燥を防ぎ、潤いを与えるケアが必要なものも多い。特に冬は乾燥する季節なので、素材別のクリームで保湿する必要がある。こまめに手入れをすることで、革特有のツヤと美しさが生まれるのだ。

買い替えのタイミング

最後に、買い替え時の目安を紹介したい。「そろそろ替え時?」という判断基準の1つとなるのが、裁断面と折りたたみ部分のダメージだ。ちなみに革の裁断面を専門用語で「コバ」、革を内側に折り返して裁断面を包んだ製法を「ヘリ返し」と呼ぶ。

折りたたみ部分(赤丸)はダメージが出やすい

井波さんによると、折りたたみ部分はダメージが現れやすい箇所だそう。ここの破れや汚れは案外目立つので、この部分がボロボロになってきたら買い替えを考えるタイミングと言える。

ネイビーの部分が「ヘリ返し」で折り返した部分

おわりに

以上、「スーツに合う財布」というテーマでプロに聞いた財布の選び方を紹介した。「財布はお金の寝床」という言葉もあるように、お金にとって居心地の良い環境を作ることはお金を貯める第一歩とも言える。自分にとってベストな財布を見つけ、仕事もお金の管理もビシっと決めたいものだ。