いよいよ12月18日に最新作の公開を控えた『スター・ウォーズ』シリーズの世界を圧倒的なクオリティーで再現したアクション・シューティングゲームとして、エレクトロニック・アーツから発売される、PlayStation4、Xbox One、PC向けソフト『スター・ウォーズ バトルフロント』(2015年11月19日発売)が大きな注目を集めている。

ゲームでは、同盟軍の兵士やストームトルーパーはもちろん、ルーク・スカイウォーカーやダースベイダーなどのヒーローキャラクターになりきって映画の戦闘シーンを追体験することができる。さらに、最新映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にも登場する惑星Jakkuで繰り広げられる「Battle of Jakku」(ジャクーの戦い)をPC版の早期購入特典で体験できることも話題に。今回は、ヒーローデザイナーとしてゲーム内のキャラクター造形を手がけたジェイミー・キーン氏にインタビュー。シリーズの大ファンであるというキーン氏は、映画とゲームそれぞれのファンが納得する作品作りというミッションに、大きなプレッシャーを感じていたという。インタビューからは、ファンならではの目線から盛り込まれた細かなこだわりと、氏の『スター・ウォーズ』に対する深い愛情が感じられた。

2015年11月19日発売『スター・ウォーズ バトルフロント』【デラックス版】8,800円(税別)、【スタンダード版】7,800円(税別)

――『スター・ウォーズ バトルフロント』のタイトルしては3作目にあたる本作ですが、ナンバリングタイトルにしなかったことについて意識されていたことは?

クリエイターとしては旧作をリスペクトしていますし、何かしらの影響も受けているものではあると思います。ただ、テクノロジーが1・2のころから比べるとかなり進化していますし、プラットホームもさらに強力になり、ファーストパーソン・シューティングゲーム向けに開発されたゲームエンジン「Frostbite」も使えるようになったことで、映画の再現度の高さが飛躍的に上がっています。その点に関しては特に違いが出ているのではないでしょうか。

実際に試遊していただいた方からは、「まるで映画の中にいるみたいだ!」と言っていただけることが多く、そういった声を聞くと自分たちの仕事をきちんと全うすることができたなという気持ちになれました。本作では、まさに"映画の中にいる感覚"にかなりこだわりました。ゲームでは、音声と音楽は全部映画と同じものを使っていますし、アクションの面でも、キャラクターの映画にはない角度を見せるためにモーション・アクターに「あの場面の、あのキャラクターの、あの死に方を完全にコピーしてくれ!」とたくさん注文を付けて動きを再現しました。細かなところですが、ブラスターが相手に当たった時の煙の立ち方のようなささいなポイントでも映画と同じようになるようデザインしています。

――確かに、実際にプレイしてみて、本当に映画の世界に足を踏み入れたような感覚を覚えました。

今回の開発でモットーにしていたのは、「あなた自身の『スター・ウォーズ』を実現しましょう」ということでした。プレーヤーには、映画の中の記憶に残るシーンをゲームで体験し、まさにそのただ中にいる気持ちを味わいつつ、作品のいろんな要素を組み合わせて組み替えて、映画とは違う新しい世界を作ることも楽しんでもらうことを望んでいます。例えば、Xウイングやスピーダーバイクの操縦をしてみたかった、あるいは印象的な場面のルーク・スカイウォーカーになってみたかった、という願望に応えることで映画の中での感覚を味わっていただき、そこからは「どうぞ自分の好きなように動いてください」という具合に。映画の世界を拡張しつつも、映画の中にいるという感覚が味わうことができるように設計しています。

ジェイミー・キーン氏。バックは、「Battle of Jakku」(ジャクーの戦い)のシーン

――それでは、例えばストームトルーパーでジェダイに勝つことも可能なのですか?

それはありうると思います。ただ、1対1の状況では、かなり例外的なケースになるでしょうね(笑)。ジェダイを含めたヒーローキャラクターと、ストームトルーパーや同盟軍の兵士との力のバランス加減は苦戦したところの一つです。ヒーローキャラクターになれた人には、全能感というか大きなパワーを手に入れた感覚を実感していただきたい。その一方で、どこかに弱点を残しておかないと相手に回った人がどうしようもなくなりますからね。