ドコモはどこまで手を加えているか

今回、ドコモではネットワークでの検証とSIMロックの適用以外、端末に手を加えていないということで、ドコモで販売されるのは素のNexus 5Xそのままといってもいい。アップデートの配信はGoogleが行うため、これまでのようにアップデートに時間がかかったり、アップデートがなかったりといったこともないようだ。

こうした取り組みは、ドコモ側としてはユーザーの動向を見るための一つの方策という考えもあるようだ。ユーザーがどれだけ最新のOSを求めているのか、その動向を見極めたい考えで、新製品発表会でドコモの加藤薫社長が、OSアップデートに前向きな姿勢を見せたのも、ユーザーの反応を見るという目的もありそうだ。

Nexusシリーズのメリットは、最新のAndroid OSをシンプルに利用でき、アップデートも早期に提供される、という点だ。逆にデメリットは、今まで使ってきたようなサービスが使えなくなるという点で、さらにSIMフリー版を購入した場合は、サポート面での不安も残るだろう。

キャリアで買うメリット

その点でいえば、ドコモやソフトバンクが発売するNexus 5Xなら、それぞれのショップでのサポートも受けられるため、安心感はある。それでありながら、Nexusの特徴となる最新OSやアップデートを利用でき、不要なサービスを利用しなくても済む。

筆者としては、おサイフケータイや防塵防滴あたりは外せない機能なので、Nexusシリーズがメインにはなりえない。ただ、今回のNexus 5X/6Pに関しては、対応周波数帯が多いのは大きなメリット。国内のスマートフォンは、各キャリアのネットワークで利用することを前提にしているため、それ以外の周波数帯の対応が省かれる傾向にある。その点、Nexus 5X/6Pは豊富な周波数帯域をサポートしており、海外出張、特にSIMフリー機に現地SIMを挿して使う場合には便利。

Nexusシリーズは、とにかく最新OSを使いたい、たくさんの機能はいらない、トラブルは自分でなんとかできる、そういった人にとっては最適なデバイスだ。自分の用途と目的を考えて選択する必要があるだろう。