「前髪ぱっつん」の女性はモテる?

顔の印象をがらりと変える、前髪。目の真上まで前髪を下ろして"ぱっつん"と一直線にした髪型「前髪ぱっつん」の女性はモテるのだろうか。"顔"の専門家である池袋絵意知さんに聞いてみた。

結論から言うと、「人による」。

と、この手のニュースがあった時に、必ず反論コメントするどうしようもないネットユーザーのセリフを使ってみました(笑)。

好みが分かれる「前髪ぱっつん」

それでは面白くないので、ぱっつんな前髪が印象的な有名人を例に挙げながら解説したいと思います。

「前髪ぱっつんの女性」でまず第一に名前が挙がるのが栗山千明さん。映画『キル・ビル』でブレイクした時の印象が今も鮮明に残っています。このアジアンビューティーの象徴とも言える「黒髪ロングで前髪ぱっつんのヘアスタイル」。

元祖はアジア系モデルとして初めてパリコレに出演した伝説のモデル、山口小夜子さんです。かつて、世界的グラフィック・デザイナーである亀倉雄策さんが、山口小夜子さんを「美人のようでもあるし、不美人のようでもある。」と評したように、好きか嫌いかは好みが分かれるところです。

その理由は、額だけでなく眉も隠れていることです。眉というのは顔の中で心理の変化が表情としてもっとも表れやすいパーツです。この眉が完全に隠れることで「ミステリアスな魅力」になることもあれば「表情がないので不気味」となることもあります。また、心を隠して「対人関係を拒絶している」という印象にもなります。

似合うのは輪郭が縦に長い人

他にこの髪型が似合う有名人と言えば、ミュージシャンのシシド・カフカさんとモデルの秋元梢さん。前髪を目の真上でそろえることで目が強調され、クールでチカラのある目が活きる髪型になっています。輪郭はエラが張った秋元さんに対してシュッとしたシシドさんで形は違いますが、どちらも縦に長さのある面長をしています。

つまり、この髪型が似合うのは輪郭が縦に長い人。基本的に丸顔よりも卵形の人のほうが似合うのです。輪郭が縦に短い丸顔だと出来の悪い日本人形みたいになります。また、目が大きかったり切れ長だったりするとインパクトになるのですが、目が小さいとアニメ『小さなバイキングビッケ』のビッケのように目の小ささを強調することになってしまいます。目が小さい場合はアイメイクは強めにしたほうがいいでしょう。そして、前髪の長さのコツは、眉が完全に隠れて目には絶対に髪がかからない長さです。

ただ、この髪型はクールビューティーさが強調されるので、見る対象としては魅力的だけど、気軽に声をかけにくくなるので「モテる」という意味では、分母が小さくなるのでマイナスです。敷居が高くなったぶん、とびきりいい男にモテる可能性は高くなりますが……。

オススメは「オンザ眉バング」

そこでオススメしたいのが、「オンザ眉バング」の髪型。眉全体が見えることで表情が豊かになり、人間的な魅力が伝わりやすくなるのでモテるのです。ただ、眉上の「前髪ぱっつん」だと、それなりに美形でないとファニーな印象が強くなりすぎて、笑われる顔に。シャギーを入れたり、アシンメトリーにしたりするなどニュアンスをつけたほうが無難です。

今、もっとも旬な「前髪ぱっつん」有名人と言えばモデルで歌手の三戸なつめさんですが、彼女の場合は眉上どころか額の生え際間近で「前髪ぱっつん」にした「額9割出しバング」です。

三戸さんは、個性が大事な芸能人を職業としているのと、もともとパーツの配置が平均型で目が大きめの美形の顔だから、曲のタイトルのように『前髪切りすぎた』でも笑って過ごすことができますが、一般人がやるのは危険。無名のお笑い芸人だと思われるかもしれません。普通にモテたいのであれば、前髪を切りすぎないように、それでいて目と眉が見える髪型がベストです。

<著者プロフィール>
池袋 絵意知(いけぶくろ・えいち)
観相家、顔研究家、顔面評論家。出版社と人材総合サービスで営業を経験した後、顔研究の道に。古来からの観相学だけでなく、自然人類学や心理学の研究を取り入れるなど多角的な方面から顔を研究し、独自の顔面観相術「ふくろう流観相学」を確立する。著書に『顔面仕事術』『最強モテ顔講座』など。 顔相鑑定士&顔研究家&顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ
http://blog.ikebukuroh.com/