【レポート】

夏ドラマのベスト作品&俳優発表! 池井戸潤ドラマ独走、記録的低視聴率続出の背景と課題

1 "リアルタイム視聴率"至上主義からの脱却

 
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9月も残りわずかとなり、夏ドラマはほぼ終了。放送前から『デスノート』『ど根性ガエル』のドラマ化が賛否両論を呼ぶなどさまざまな話題を集めていたが、結局どの作品が視聴者からの支持を受け、面白かったのだろうか。

ここでは「池井戸潤原作ドラマが独走」「"枠"重視の意欲作が続出」「記録的な低視聴率が続出」という3つのポイントから検証し、全19作を振り返っていく。今回も「視聴率や俳優の人気は無視」のドラマ解説者・木村隆志がガチ採点する。

左から『デスノート』の窪田正孝、『花咲舞が黙ってない』の杏、『恋仲』の福士蒼汰

■ポイント1 池井戸潤原作ドラマが独走

第2シリーズが放送された池井戸潤原作の『花咲舞が黙ってない』が好調をキープ。唯一の全話2ケタ視聴率を記録したほか、平均でも14.4%と断トツ1位だった。さらに、同じく池井戸潤原作の『民王』も深夜枠ながら徐々にファンを増やし、『YAHOO!テレビ』内のクチコミランキングで、2位以下に大差をつける圧勝。夏ドラマトップの"視聴熱"を獲得した。

前クールに放送され好評だった『ようこそ、わが家へ』、次クールの「本命」と目されている『下町ロケット』も含め、2015年は池井戸潤の年と言っても過言ではない。『半沢直樹』から2年が過ぎてなお、池井戸潤原作のドラマが支持される理由は、"分かりやすい対立構図"と"ラスト5分間の成敗シーン"にある。「誰と誰が何のために対立しているのか?」が明確で感情移入しやすく、「必ず最後にスカッとさせてくれる」のがウケているのだろう。

■ポイント2 "枠"重視の意欲作が続出

視聴率を求めて、テーマやターゲット層を試行錯誤する放送枠(以下、枠)が多い中、夏ドラマでは、「この枠ではこんなドラマを作る!」という強い意志を感じる作品が目立った。

フジテレビの月9は、ラブストーリーの『恋仲』。テレビ朝日の木9は、中高年女性狙いで内館牧子脚本の『エイジハラスメント』。フジテレビの木10は、女優のカッコよさを前面に出した『探偵の探偵』。TBSの金10は、ピュアな主人公の活躍を描いた『表参道高校合唱部!』。TBSの日9は、サラリーマンにエールを送るような『ナポレオンの村』というように、いずれもプロデューサーの意図は明確。その証拠に、次クールのラインナップを見ると、ここで紹介した枠は見事にその意図を踏襲している。

『恋仲』→『5→9~私に恋したお坊さん~』(ラブストーリー)、『エイジハラスメント』→『遺産争族』(中高年女性狙い)、『探偵の探偵』→『オトナ女子』(女優のカッコよさ)、『表参道高校合唱部!』→『コウノドリ』(ピュアな主人公)、『ナポレオンの村』→『下町ロケット』(サラリーマンにエール)

■ポイント3 記録的な低視聴率が続出

ドラマに限らず、現在のテレビ界で「最も視聴率が取りやすい」とされる21・22時代の作品が大苦戦。『HEAT』『ホテルコンシェルジュ』『リスクの神様』『37.5℃の涙』『エイジハラスメント』『表参道高校合唱部!』の6作が全話1ケタ視聴率に終わり、中でも『HEAT』7話は3.1%という衝撃の数字を記録してしまった。

さらに、『探偵の探偵』『ど根性ガエル』も2ケタ視聴率は、"試し見"の多い初回のみ。2ケタ視聴率を2回以上記録したのは、『恋仲』(6回)『刑事7人』(3回)『花咲舞が黙ってない』(11回)『デスノート』(9回)の3作にとどまった。

もちろん視聴率は1つの指標に過ぎないし、「リアルタイムで見てほしい」というテレビ局の都合によるところが大きい。テレビ局とメディアがさわいでいるだけで、視聴者は「私には関係ない。見たいときに見る」と考えている。

もしテレビ局がこのままリアルタイム視聴率だけにこだわっていたら、「ドラマは面白くないし、人気もない」というイメージが定着しかねない。制作や予算の都合を考慮したとしても、タイムシフト(録画再生)視聴率、ツイッター指標、ネット動画再生数なども含めた総合的なデータの作成は急務だ。このままでは、作品もスタッフも報われない。


左から『ど根性ガエル』の満島ひかり、『表参道高校合唱部!』『探偵の探偵』の芳根京子、『民王』の菅田将暉

全作の全話を見た結果、夏ドラマの最優秀作品に挙げたいのは、『表参道高校合唱部!』。ドラマ作りに賭ける情熱、今しか出せないピュアさ、ノンフィクション的な若手俳優の成長、説得力十分な合唱シーンなど、連ドラの素晴らしさが凝縮されていた。 脚本・演出・演技のクオリティでは『民王』が圧倒的。そのプロフェッショナルな仕事ぶりは他局、他チームのお手本となったのではないか。その他では若手スタッフの頑張りが光った『ブスと野獣』、あえて本格派ミステリーで真っ向勝負した『探偵の探偵』を挙げておきたい。

男優では、『デスノート』の窪田正孝と、『民王』の菅田将暉がズバ抜けていた。「若手屈指の演技派」として、この先も難役のオファーが届くのは間違いない。一方の女優では、『表参道高校合唱部!』の主演大抜てきされた芳根京子が伸びやかな表情で魅了。共演の志尊淳、吉本実憂、森川葵、堀井新太、高杉真宙など、次代の主演俳優たちが輝きを見せた。

【最優秀作品】『表参道高校合唱部!』 次点-『民王』
【最優秀演出】『民王』 次点-『表参道高校合唱部!』
【最優秀脚本】『民王』 次点-『ブスと野獣』
【最優秀主演男優】窪田正孝(『デスノート』) 次点-菅田将暉(『民王』)
【最優秀主演女優】芳根京子(『表参道高校合唱部!』) 次点-伊藤歩(『婚活刑事』)
【最優秀助演男優】高橋一生(『民王』) 次点-三浦貴大(『探偵の探偵』)
【最優秀助演女優】満島ひかり(『ど根性ガエル』) 次点-麻生久美子(『ナポレオンの村』)
【最優秀若手俳優】芳根京子(『表参道高校合唱部!』) 矢本悠馬(『ブスと野獣』)

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目次
(1) "リアルタイム視聴率"至上主義からの脱却
(2) 「視聴率や俳優の人気は一切無視!」で全19本をガチ採点

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