【レポート】

東京都・金剛院で「スローカロリー寺子屋」開催--体に優しい糖の摂取法とは

 

コンセプトカフェを運営するお寺・金剛院と、産学連携のスローカロリー研究会がこのほど、東京都豊島区の真言宗豊山派 金剛院の境内にあるカフェ「赤門テラスなゆた」の特設スペースにて、糖について学ぶイベント「スローカロリー寺子屋」を開催した。

砂糖と健康について考える「スローカロリー寺子屋」が実施された

現代の砂糖の消費量は減少傾向に

金剛院第33代住職・野々部利弘氏は、冒頭のあいさつで「実は、お砂糖は仏教が起源で、砂糖の栽培が始まったインドの『サッカラ』という言葉が『シュガー』につながっているといわれています」と、仏教と砂糖のつながりを紹介。そのうえで、「果物などの糖に比べ、今のお砂糖は血糖値が上がりやすい。そういったことを、この『お寺カフェ』で考えていただこうというのが今回の趣旨」と説明した。

真言宗豊山派 金剛院第33代住職・野々部利弘氏

スローカロリー研究会の奥野雅浩氏

砂糖についてのレクチャーを務めたのは、砂糖の研究を現在まで20年続け、世界で一番砂糖に詳しい「砂糖マニア」を自負するスローカロリー研究会の奥野雅浩氏。「日本ほど、砂糖を使い分ける国はない」と、奥野氏は日本における砂糖の特殊性から話した。

日本で一番ポピュラーな砂糖といえば「上白糖」だが、実は世界でもっともよく使われているのは「グラニュー糖」。また、「三温糖」「ザラメ糖」「黒糖」など、いろいろな種類の砂糖を料理などで使い分けているのは、日本だけだという。「日本では和食にも砂糖をよく使うが、他国の料理ではまれ。日本人は砂糖の良さを知り尽くしている」という。

日本はさまざまな砂糖を使い分けている、世界でもまれな「砂糖大国」なのだ

「量」だけでなく「質」に注目

甘いものにあふれた日本では、砂糖の消費量は増えているのではないかと思われるが「砂糖の消費量は年々減っています。1970年を基準に考えれば60%ほどの使用量まで下がっています」と、意外にも砂糖の消費量は減っていると奥野氏は話す。

砂糖の使用量は年々減少しているが、糖尿病や予備軍の数は増えている

しかし、糖尿病とその予備軍とされる人は年々増えており、砂糖を減らしても健康にはつながっていないという。現代の大まかな傾向として、男性は肥満、女性は低栄養(やせすぎ)の傾向が見られる。低栄養の女性が妊娠した場合、子どもも低体重児になりやすい。そして、低体重児は将来の生活習慣病のリスクが10倍にもなるとも言われている。

また、糖質に関する誤った考え方も危険視されている。例えば近年、「糖質制限ダイエット」などがはやっているが、きちんと管理されていない状況での糖質制限はインスリンが分泌されなくなるなど、体に大きな負担がかかってしまう。

人間の主なエネルギー源はブドウ糖だが、脳だけで一日にブドウ糖を120g消費しているとする研究報告もある。体全体の消費エネルギーにおける脳の割合は約2割とされているだけに、いかにたくさんの糖を体が必要としているかがわかる。特に子どもは一度に食べられる量が少なくエネルギー量が不足しがちのため、おやつなどの補助エネルギー源が必要となる。

私たちは一日にたくさんのブトウ糖を消費するため、バランスの良い食事が重要。半分以上のエネルギーを糖質からとるのが理想的

「偏った食事では健康は維持できません。食べすぎない、偏り過ぎないという『量』の視点も重要ですが、どんな糖質を摂取するか、どのように食べて、どのように代謝されるのかという『質』の視点が大切になります」と、理想的エネルギーバランスとしては、半分以上のエネルギーを糖質からとるべきだと奥野氏は話した。

「スローカロリー」の3つのポイント

その「質」に着目した糖が、ゆっくり消化吸収される「スローカロリー」だ。普通の砂糖は消化吸収が早く、食後に血糖値が急上昇してしまう。ヒトの体が処理できる糖の量は限られており、血糖値が上昇すると脂肪を蓄えるためのインスリンが多く分泌されることになってしまう。しかし、ゆっくり吸収される糖であれば、血糖値の上昇がおだやかなので安定して糖を体に供給でき、インスリンの分泌も少なくなるので体への負担も減る。

「スローカロリーは、小腸全体でゆっくりと吸収され、腸管ホルモンを刺激します。メタボ、糖尿病、高血圧などの病気予防だけでなく、満腹感や集中力の持続などのメリットもあります」。

スローカロリーは小腸全体でゆっくりと吸収され、血糖値の上昇をおだやかにする

では、日ごろから実践できることは何だろうか。奥野氏は、今日から実践できる3つのことを挙げた。まずは「野菜、たんぱく質、糖質の順番でよくかんで食べること」。食べる順番を変え、糖質を最後にすることで血糖値の急上昇を抑えることができるという。

次に「食物繊維をたくさんとること」。食物繊維も血糖値の急上昇を抑える働きがあるからだ。最近では砂糖の精製技術が上がった分、体内に吸収されやすくなっている。風味も出るので、料理によってはあえて精製度の低い砂糖を使うのもよい。玄米など精製されていないお米も有用だ。

パラチノースは砂糖の5分1のスピードで吸収されるスローカロリー

最後は「消化吸収がゆっくりな糖、パラチノースを使う」だ。パラチノースはハチミツなどに含まれている砂糖の仲間で、砂糖と同等の甘みがある精製糖でありながら、吸収されるスピードは砂糖の約5分の1というスローカロリー。パラチノースを使ったシュガーや、スイーツなどの商品も市場に出回っている。また、パラチノースは、糖尿病の専門医やオリンピック選手への栄養指導など、医療やスポーツの現場でもその有用性が注目を集めているという。

「質」という新しい視点での糖のとり方・スローカロリー。しっかりとおいしく食べて健康を維持するために、ぜひ取り組んでみてはいかがだろうか。

会場となった金剛院の境内にある「赤門テラスなゆた」

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