説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『いつの間にか「低電力モード」が無効化されています!?』という質問に答えます。

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iOS 9には、新たに「低電力モード」が追加されました。オンにすると一部機能が制限を受けますが、消費電力が減るためバッテリーが長もちします。某RPGにたとえると、「ガンガンいこうぜ」ではなく「いのちを大事に」とでも言えばいいでしょうか。快適性よりバッテリーのもちを優先した動作モードと考えて間違いありません。

低電力モードでは、アプリの活動が制限されます。具体的には、「設定」→「Appのバックグラウンド更新」画面でカスタマイズ可能なすべてのアプリがバックグラウンド更新を禁止されるため、リアルタイムにアプリから通知を受けることができなくなります。たとえば、「Twitter」アプリではリプライやダイレクトメッセージを(アプリを前面に表示していないかぎり)リアルタイムに把握できなくなり、「Google Maps」ではアプリを閉じるとナビゲーションが中断されるようになります。

処理速度も低下します。すべてのアプリで体感できるわけではありませんが、「Safari」でWEBブラウジングするときなど、通信と描画が連携する機能でパフォーマンス低下傾向は顕著に現れます。

この低電力モードは、「常時オンにしておく」使い方は想定されていません。充電機器を持たずに日帰り出張してしまったときなど、快適性を多少犠牲にしてもバッテリーを長くもたせたい場面での利用が前提です。

そのため、バッテリーの充電率が80%に到達した時点で、この動作モードは自動オフされます。再び有効にしたいときには、「設定」→「バッテリー」画面を開き、「低電力モード」スイッチをオンにするしかありません。低電力モードが自動オフされたことは通知されますから、次回利用したときに注意して見てみましょう。

低電力モードは、バッテリーの充電率が80%に達した時点で自動オフされます