学びの重要性に気付くのは、卒業後!?

大学教育に対して、現在の考えに近いほうを選んでもらった結果を、2012年に大学生4,911名を対象に行った調査の結果とあわせて世代間で比較した。授業について、「単位をとるのが難しくても、自分の興味のある授業がよい」と回答したのは、2012年の在学生では45.2%だったが、23~34歳の卒業生は70.6%、40~55歳の卒業生は79.3%となった。

また、「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」と回答した割合は、2012年の在学生は16.7%、23~34歳の卒業生は42.8%、40~55歳の卒業生は54.2%だった。

「大学教育に対する考え」

「在学中はどうしても楽な方向に流れ受け身の姿勢を取ってしまいがちですが、主体的学びの重要性は、卒業後社会に出て時間が経てば経つほど身にしみてわかるという結果だと考えます。これこそが現代の大学教育の課題です。このギャップを解消していくためには、学生自身が在学中に学びの価値を理解し積極的に学習することが大事だと考えます。」と松本氏。

これからの大学教育、"教室外"がポイント?

今回の調査の結果から、学生が主体的学びの価値を理解し、積極的に学びに向かう姿勢を持てるような支援の必要性が浮き彫りとなった。同社は、大学教育改革によって、より充実する学びの機会を余すことなく享受するには、学生自身の意識改革が必要だと指摘した。

追手門学院大学 学長補佐・アサーティブ研究センター長の池田輝政氏

課題に対し、大学ではどのような取り組みをしていけば良いのか。同調査で監修を務めた、追手門学院大学 学長補佐・アサーティブ研究センター長池田輝政氏は、「大学が提供できるのは、教室内または教室外での学びの支援です。教室内での学びは、大学は理論を実践するものが多く、学生の6割~7割は、そういった学びばかり経験しています。学びをより豊かにするには、学生が課外で色々な経験をするが大事です。大学側としても、教室内と教室外での学びの経験値を重ねていく支援が必要だと考えます。それは教員だけでなく、大学全体が支援しなければいけないと思います」と語った。