ZX1/ZX2と比べ変わったこと、変わらないこと

先代・先々代と比べ細身になったZX100は、手にしたときの収まりがいい。厚みと縦方向の長さは大きく変わらないが、背面下部の出っ張りの落差は小さくなり、ラバーグリップの効果もあって手から滑り落ちにくくなった。特にZX2と比べると、体積で約30%減、重量で約38%減とその差は明らかだ。

また、シャーシ構造も大きく変化している。高精度に切削されたアルミきょう体とシャーシが一体化したモノコック構造を採用。シャーシ部には低インピーダンス化を施したバスプレートを奢る。

切削アルミきょう体は剛性を高めるだけでなく、グランドを強化する役割も果たしている

見直しは基板の細部にも及ぶ。素材レベルから見直して金属結晶の品質を向上させた自社開発の「高純度無鉛はんだ」を使い、基板やパーツの固定にはカスタム品の「導電性ビス」を30カ所に使いインピーダンス低下を図った。プリント基板のVia(電気信号の伝達経路)を銅メッキで穴埋めする「Filled Via構造」により、電源の安定化と配線インピーダンスの低減を図ったことも、解像感アップや低音域の表現力向上を狙ったものだ。

ステンレス製シャーシには銅メッキに金メッキを重ねてグランド効率を高め、低インピーダンス化を図っている

基板のVia部分を銅メッキで穴埋めすることにより、電源の安定化とインピーダンス低減につなげている

一方、変わらない部分もある。オーディオ回路のレイアウトはZX2とほぼ変わりなく、クロックが44.1kHz系と48kHz系のデュアル構成ということもZX2譲りだ。フィルムコンデンサと低抵抗ケーブル、圧膜銅箔プリント基板もZX2と同等とのことで、基本設計はZX2を踏襲していると考えていいだろう。

ただし、低音域の量感向上に貢献しているOS-CONはZX1と同じ4基(まったく同じではなく容量アップしているとのこと)、7基搭載のZX2より少なくなっている。イヤホンジャックにつながるOFCケーブルは、ノイズキャンセル機構がないZX1/ZX2は3本だが、ZX100では5本に増えている。

ZX1の基本設計を引き継ぎ、電源部には高音質で知られるコンデンサー「OS-CON」を4基搭載している

ZX1/ZX2/ZX100のスペック比較

機種名 NW-ZX1 NW-ZX2 NW-ZX100
ディスプレイ 4.0型 4.0型 3.0型
内蔵ストレージ 128GB 128GB 128GB
外部メモリ × microSD microSD
再生時間(MP3 128kbps) 32時間 61時間 70時間 ※1
再生時間(FLAC 192kHz/24bit) 16時間 33時間 45時間 ※1
OS Android 4.1 Android 4.2 独自
DSD再生(PCM変換) 2.8MHz 2.8/5.6MHz 2.8/5.6MHz
LDAC ×
DLNA ×
Wi-Fi ×
デジタルNC × ×
内蔵スピーカー × ×
サイズ(W×H×D) 60.7×122.8×15.3mm 65.1×131.2×18.5mm 54.4×120.1×15.4mm
重量 139g 235g 145g
ソニーストア価格(税別) 71,130円 119,880円 66,880円

※1:デジタルノイズキャンセリング機能オフ時