既報の通り、リコーイメージングは9月17日、同日に千葉県・幕張メッセで開催の「東京ゲームショウ2015」にて、Oculusブースで全天球カメラ「RICOH THETA S」を展示。Oculus VRとサムスン電子が共同開発したゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」と連携させ、RICOH THETA Sで撮る全天球画像をバーチャル体験するデモンストレーションを行った。

RICOH THETA Sの体験整理券は争奪戦

ということで初日、展示されているOculusブースに行くと、午前中の時点で整理券の配布が終了していた。そこでビジネスデイの二日目(9月18日)、開場後にOculusブースに行って整理券をもらったが、二日目も午前10時40分ごろに当日整理券は配布終了。大型新作ゲームの体験コーナーに匹敵する人気を見せていた。

Oculusブース。私事で恐縮だが、この撮影をした直後に取材用のストロボが死亡……

RICOH THETA Sは、9月初旬に独ベルリンで開催された家電関連展示会「IFA 2015」で発表された。本体の表裏についている二つの魚眼レンズを使用して、360度全天球イメージを撮影できるデバイスだ。現行製品「RICOH THETA m15」の改良モデルとなり、動画の記録時間が前モデルの5分から25分に拡大(動画サイズ4GBまで)。さらに撮像素子も有効1,200万画素の1/2.3型センサーとなり、Wi-Fi接続したスマートデバイスでのライブビューイングも可能となった。カラーはブラックのみとなっており(RICOH THETA m15は4色展開)、日本発売は10月下旬予定、推定市場価格は43,000円前後の見込みだ。

RICOH THETAシリーズの製品展示

新製品のRICOH THETA S。かなりパワーアップしているので発売が楽しみだ

現行製品のRICOH THETA m15。写真の3色に白を加えた4色で発売中

整理券があっという間に配布終了になったことには、ワケがある。この体験はスタッフが一人専属で対応する上に、VRゴーグル(Gear VR)を使った360度体験を行うため、ある程度の広さが必要になるからだ。つまり体験可能な人数が少ない。

デモは一人5分間で、あらかじめ用意されているコンテンツの視聴に加えて、RICOH THETA Sの実機を使って静止画を撮影。これを転送してすぐに確認するという内容だ。

「片手に持ったRICOH THETA Sを高く掲げて撮影するように」という注意があり、少々戸惑ったものの、撮影した映像を見ると360度撮影なので周囲すべてが見えるだけでなく、下を見ると撮影している本人も映り込んでいるいう普段と違う不思議な映像体験だった。

デモ画像は用意されていなかったので、体験者の視点「どのように見えているか」をお伝えできないのは残念だが、まったく別の場所と風景を360度ぐるっとバーチャル体験できるようになることには、大きな可能性を感じる。これまでRICOH THETAの全天球画像は、撮影してから後で確認することしかできなかったので、RICOH THETA Sとヘッドマウントディスプレイがもっと広まれば、一般の人にも全天球撮影の楽しさが理解されそうだ。

外から眺めたデモ風景。青いTシャツ姿の方がデモアテンダントで、体験者がそっぽを向いているのは360度鑑賞を行うため。会場スペースの割にはデモ機が少ないのはこのため

デモ途中で転送不良を起こした……ので、体験者に代わって様子を見ている担当のお姉さん

筆者に割り当てられたRICOH THETA S。反対側にもレンズが付いているので、これを持って上に掲げて撮影する