【レポート】

セックスが痛くてできない! "女性ホルモンの減少"も性交痛の原因だった

性交痛で悩んでいませんか?

性交渉のときに生じる痛みを「性交痛」という。デリケートな問題であるため、性交痛で悩んでいても誰にも相談できずにいる女性も多いのではないだろうか。そこで今回は、女性の性交痛の原因と治療法について、なおえビューティークリニック・院長の喜田直江医師に伺った。

妊活にも影響しかねない「性交痛」とは?

通常、最初の性交渉で処女膜が破れるときに痛みが生じるが、一度破れてしまうと痛みはなくなるものとされている。喜田医師によれば、仮にしばらく性交渉をしていない期間があったとしても、処女膜が元に戻って痛みが復活することはないという。

一方、何らかの理由で性交渉のたびに性交痛があるという女性もいる。痛みがあると、性交渉が楽しめないどころか、苦痛や恐怖心を伴う可能性もあるので深刻な問題だ。

そもそも性交痛を理由に婦人科を受診してよいものか、という疑問を持っている人もいるかもしれない。これに対し、「性交痛の症状でクリニックに来られる女性も多いですね。中には、妊娠はしたいのに性交痛によって性交渉ができずに悩んでいる方もいらっしゃいますので、切実な問題だと思います」と喜田医師。

性交痛の原因と治療法

性交痛の原因は、主に次の2つが考えられるという。

原因1.処女膜のつっぱりが強い「処女膜強靭(じん)症」
まず、処女膜の形状に問題があって痛みが生じている場合だ。「処女膜はリング状なのですが、通常であれば薄いので簡単に破れてしまうものなんです。最初の性交渉時に破れる女性が多いですが、実は手で触るだけで破れる人もいるほど。一度破れてしまえば、処女膜が膣の大きさまで広がるようになるので、痛みもなくなります」と、喜田医師は解説する。

一方で処女膜が厚すぎて破れない場合もあり、これを「処女膜強靭症」という。「処女膜強靭症の方は、処女膜のつっぱりが強くて簡単には破れないので、強い痛みを伴うことが多いです。また、何回も性交渉を重ねたからといって自然に破れるものではなく、手術が必要になります」。

その手術を「処女膜切開術」といい、人工的に処女膜を切ってつっぱりを取り除く内容となる。手術時間は15分から20分ほどで、術後1カ月くらいで痛みを伴わずに性交渉ができるようになるという。

原因2.更年期による「女性ホルモンの減少」
40代以降で更年期にさしかかると、次第に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は低下していく。それも性交痛の原因の1つだという。

「女性ホルモンが減少すると、膣粘膜からの分泌物の量も減り、うるおいがなくなります。さらに膣壁のコラーゲンも減少するので、膣が萎縮して硬くなり、乾燥することに。そうした膣の状態が性交痛を引き起こしているのです」。

治療では、症状に応じて、潤滑ゼリーでうるおいを与える処置や、女性ホルモンの量を増やすためのホルモン補充療法などが行われる。なお症状が重い場合は、レーザー治療も選択肢の1つ。炭酸ガスレーザーを照射して膣を若返らせる方法で、膣壁の血流を改善し、膣分泌物を増やしてうるおいをもたらすという。

これら2つの原因以外にも、「小陰唇肥大」といって、膣の入り口の左右にあるヒダ(小陰唇)が大きいために、性交渉時に巻き込まれて痛みを伴うこともあるそうだ。この場合は、小陰唇の大きい部分を切除する手術をすれば痛みは改善されるとのこと。また、ストレスなど精神的なことが影響して膣のうるおいが低下し、痛みが生じている可能性もあるという。

産後の女性ホルモンと性欲の関係

一方で産後の女性は、女性ホルモンの影響により一時的に性欲が減退するといわれている。そこに育児の忙しさや疲労などが重なると、膣のうるおいがなくなって痛みの原因になるほか、性交渉そのものに興味がなくなったり、嫌悪感を抱いたりすることもあるという。

ただ、これは産後の女性であれば誰にでも起こり得ることで、一般に授乳期間を過ぎれば元に戻るので心配しなくてもよいとのこと。ただし、「その間のパートナーとのコミュニケーションには配慮が必要です」と喜田医師。

「男性はホルモンの影響を受けていないわけですから、女性側がただ拒否する態度を取ってしまうと、夫婦間に壁ができてしまったり、セックスレスの原因になったりすることもあります。お互いに理解し合うことが大切ですね」。

性交渉に関する悩みは、家族や友達など親しい間柄であっても相談しづらいものだろう。ただ性交痛の場合は、肉体的にも精神的にも負担が大きく、ずっと続くようであればトラウマ(心的外傷)にもなりかねない。気になる症状がある人は、1人で悩まずに婦人科を受診してみよう。

※画像は本文と関係ありません

記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)

2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。
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