説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhone 6sはバッテリー容量が減ったってホント?」という質問に答えます。

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どうやら、本当のようです。9日に実施されたイベントの基調講演では、「3D Touch」のコンセプトムービーが使用されましたが、そのとき映されたiPhone 6sの内部に目を光らせると、バッテリー表面に「1715mAh」という文字を読み取ることができます。その数値を隠す/表示しないならばともかく、意図的に変えるとは考えにくく、実際のバッテリー容量である可能性は高いといえそうです。

ちなみに、分解レポートなどで以前から明らかにされているとおり、iPhone 6のバッテリー容量は1810mAhです。どちらの機種もバッテリーの素材はリチウムイオンであり、特性そのものに大きな変化はないと考えれば、iPhone 6sで新たに採用された「タプティック・エンジン」のぶんバッテリーパッケージの容積を小さくした、と考えられます。実際、コンセプトムービーでタプティック・エンジン周辺にあるパーツの位置関係を見ると、その推測は間違いではないように思えます。

一方、Appleが公開しているモデル比較表を見ると、iPhone 6/6sとも連続通話時間は3G回線で最大14時間、連続待受時間は最大10日間、オーディオ再生50時間と差がありません。約5%バッテリー容量が減少したにもかかわらず、バッテリーの保ちは変わらないとすれば、新しい省エネ機構が効果を発揮しているのでしょう。

基調講演で強調されてはいませんでしたが、新型SoC「Apple A9」や感圧機構を搭載したディスプレイで省エネ設計が改善されている可能性があります。iPhone 6s/6s PlusとiOS 9の組み合わせで実現される新UI「3D Touch」も、連続通話/待受時間に影響はないものの、画面遷移の回数が減るぶんバッテリーのもちにプラスに作用すると推測できます。バッテリー容量は減りましたが、それをカバーする工夫がされているという理解でよさそうです。

基調講演で流れたコンセプトムービーを凝視すると、バッテリー表面には「1715mAh」の文字を読み取ることができます