さて、いきなりだが、ちょっと「つけ麺」を思い浮かべてみていただきたい。味は様々あるだろうが、おそらくほとんどの方が、「麺が盛られた丼」と「スープが入った小丼」を想像したのでは? ……はい、かく言う筆者も同じでございます。だがしかし! 東京都新宿区の市ヶ谷には、今までの常識を覆すような斬新なラーメンやつけ麺を提供する店があるらしいのだ!

ラーメンクリエイターの創作麺に3時間待ち!

その店とは、市ヶ谷駅から徒歩5分ほどの場所にある「麺や庄の」。店主の庄野智治さんは"ラーメンクリエイター"として、「蝦夷鹿の醤油らーめん」や「チョコつけ麺」など数々の創作麺をプロデュースしており、ラーメン界に新風を巻き起こす革命児としても有名だ。今年3月に開催されたラーメンが好きな女子のためのイベント「ラーメン女子博」では、海老とキノコからとった出汁に豆乳を合わせたスープが特徴の「プレミアム豆乳海老白湯」を販売。なんと、最長で3時間待ちになるほどの行列ができたとか。

坂の途中にある「麺や庄の」。近くの会社で働いている女性もよくランチを食べに来るとか。総席数は14席

「『プレミアム豆乳海老白湯』はラーメン女子博だけの限定メニューのつもりだったのですが、あまりにも人気だったので期間限定で店舗でも提供しました。現在は終了してしまいましたが、女性に人気のメニューは他にもありますよ! 」と語る庄野さん。ということで、同店で女性に一番人気だという『一汁三菜つけ麺』(950円)を注文してみることに。

つけ麺にサラダと小鉢がセット!?

そして、運ばれてきたのは……えええっ、これ、つけ麺なんですか!? 麺の上にはサラダと見間違えるほど野菜がたっぷり。そして、盆の上にはたくさんの小鉢。これは一体……。とにかく食べてみないことにはわからない、ってことでいただきますっ!

「一汁三菜つけ麺」(950円)。カボチャやレンコンなど、従来のラーメンでは無縁の野菜たちが。色とりどりの野菜が山盛りで、見るからにヘルシーそう

ん? この餡がかかっているのは……チャーシューだ! こっちはホウレン草を巻いたメンマ。そして、薬味に梅ドレッシング。なるほど~、野菜にドレッシングをかければサラダとしても食べられるというわけですな。主役の麺は中細麺で程よい食感、豚骨魚貝スープには柚子がトッピングされており、濃厚ながらさっぱりといただける。う~ん、どれもこれも旨いっ!!

水菜や紫キャベツなどの生野菜、ゴボウやカボチャなどの素揚げ、そして味玉のオカラ添えという珍しいトッピングも

麺と一緒に野菜をスープにつけて食べるのもウマし!!

でも、なぜこのような創作麺を作るように?

「もともと学生の頃から自作ラーメンにハマっていて、2005年5月に『麺や庄の』をオープンする前も、特にどこかのラーメン屋で修行したりはしてなかったんですよ。完全に独学でラーメンを作っているので、創作麺もその延長線上ですね。ですから、基本的には思いつきや自分が食べたいものを作っています(笑)」とのこと。

店の壁には歴代の創作麺がズラッと並ぶ。オープンからの10年間で、その数は180種類を超えるとか

今回紹介の「一汁三菜つけ麺」に関しては、「ラーメンって不健康なイメージがあるので、女性におすすめできる健康的なラーメンを作りたいという思いから誕生しました。また、『お客様に驚きと感動を与える』をテーマにしていて、季節の食材を使って旬が感じられるラーメンを作ったり、常連さんにも驚きと感動を与えられるように1カ月単位で新しい創作麺を打ち出してます」。

「創作麺」というと、色物を想像してしまいがちだが、庄野さんの手がける創作麺はとてもハイレベル。そしてどれもこれもが大好評。 皆さんも「麺や庄の」で最先端のラーメンを味わってみては?

※価格はすべて税込

(文・A4studio千葉雄樹)