2013年にテレビシリーズと映画公開で人気を博した『猫侍』の続編『猫侍 南の島へ行く』が、9月5日から公開された。愛らしい白猫・玉之丞を懐に入れた、北村一輝扮する強面の浪人・斑目久太郎。そのヒロイン・お蓮を演じたLiLiCoを直撃した。強すぎる北村への愛にはじまり、人生の最後、棺桶に入るプランまで教えてくれた。

映画『猫侍 南の島へ行く』でヒロイン・お蓮を演じたLiLiCo

――いきなりですが、LiLiCoさんは犬派ですか、猫派ですか?

子どもの頃は、すごい猫派でした。わたしを育ててくれたおばさんの家に5匹くらい猫がいてかわいがってて。でも15年くらい前に付き合った男が犬派でそこから犬派になりました(笑)。しかも悲しいことに猫アレルギーになっちゃって。ずっと一緒にいるとクシャミが出始めるんですよ。ただ子犬と子猫を見ると子猫のほうがかわいいですね~。自分がもう飼えないからというのもあるけど、たまに見るとすごくかわいい。(玉之丞役の)あなごちゃんも本当にかわいいですよね。ただあなごちゃんは、映画の中でわたしと北村さんが衝撃の壁ドンをやったときから、私のことを女として意識してて、目を合わせてくれないんです。北村さんは私のものですみたいな感じで(笑)。

――今回、その北村さん主演作で"ヒロイン"を演じられたわけですが、人気作の続編へのオファーが来たときの感想を教えてください。

相手が北村さんですよ。北村さんの「き」のを聞いただけで「出る!」って気持ちになりましたね(笑)。でも私の場合、日本語力がいつも壁になるんです。どれだけセリフがあるのか、どういう役なのかちゃんと確かめようと思って脚本を読んだら、自分が登場するところの1行目に「男みたいな女が座ってる」って書いてあって(笑)。その瞬間、これ、私じゃん!って。それで髪を切ったんです。

――渡辺監督からの指示ではなくて、LiLiCoさん自ら髪の毛を切られたんですか?

そうです。女優だったら、自分から役を作らないといけないんじゃないかと思って(笑)。でもちゃんと確認しましたよ、切っていいですか?って。あと他には、私、ネイル選考委員会のひとりでもあるんですけど、着け爪を全部取って、指との間に泥を入れました。久しぶりの映画での女優業だったので(撮影は『東京PRウーマン』が後)、あらためて女優デビューという気持ちで、気合を入れて歯のホワイトニングもしたんですけど、結局、黒くしちゃって(笑)。ホワイトニングしたのに! って思ったんですけど、ちょっと待って、自分で黒くしたいと言ったんだと(笑)。あとはメイクとか髪の編み込みとかも全部自分でやりました。

(C)2015「続・猫侍」製作委員会

――日本語力がとおっしゃいましたが、全く問題ないように感じますけど。

今は自分の思っていることをしゃべっているだけですから。でもセリフはね。それにまだしゃべれない言葉とか分からない言葉もあるんですよ。今回でいうと、「長(おさ)」とか。

――日本人の中にも分からない人もいますよ。

よく言われるんだけどね。でもやっぱり映画はちゃんとしゃべれないといけないから。ただ今回はセリフの量もそんなに多くなかったし、北村さんが優しく教えてくださったり、どうしても言えないセリフは、それじゃあそれは僕のほうから言うからって変更してくださって。今までもイベントや番組なんかでお会いしたことはありますけど、ここまでステキな方だとは思いませんでしたね。

――ヒロインという位置づけはどうお感じになりました?

最初、A4のペラみたいな企画書だけだったんです。そのときは単純に『猫侍』に出られるんだなって思って。初めて台本を読んだときに、自分の名前が二人目に出てたんですよ! それで間違いじゃないかと思って確認したら、プロデューサーさんが、「そうですよ、LiLiCoさんは今回のヒロインです」って言われてひっくり返ったんです。

――ただ、正直ヒロインという文字面から受ける印象とは随分違う役柄でした…。

でしょ! これ、本当にヒロインなのかなって。本当のヒロインは<某スペシャルゲスト>なんじゃないかなって(※スペシャルゲストの確認は劇場で)。まさかあそこで出てくるとはね~。北村さんが絶対に出てもらいたいって言ってて、どういう風に出てくるんだろうと思ってたんですけど、完成作を観ても全然出てこないから、やっぱり忙しかったのかな~と思っていたら、アレですよ(笑)。最後にドカンとね。ウソでしょーって(笑)。今回の『猫侍』は前作よりユーモアが格段にアップしていますが、それにピッタリのいい締めだなって思いましたね。