世界最大級の家電関連展示会「IFA 2015」の会場で、中国のスマートフォンメーカーSISWOOは、液晶ディスプレイとE-Inkの電子ペーパーという2画面を採用したAndroidスマートフォン「R9 Darkmoon」を出展している。2画面スマートフォンという存在も少ないが、話を聞いてみると、日本での展開も予定しているというのだ。

Android搭載2画面スマートフォン「R9 Darkmoon」

背面にはE-Inkの電子ペーパー

Darkmoonは、前面に5.2インチIPSフルHD液晶を搭載。MediaTekのオクタコアプロセッサMT6752を採用しており、3GBのRAM、32GBのROM、Android 5.1を搭載する。対応周波数は2GのGSMに加え、W-CDMA B1/2/8/34/39、LTE B3/7/20/38/39/40。デュアルSIMにも対応している。バッテリ容量は2500mAh。

本体側面

本体を裏返すと、背面は電子ペーパーになっており、4.7インチ540×960ドットの画面サイズ。電子ペーパーということで、書き換え時以外には電力がかからず、常時表示できるほか、ほぼ紙と同じような感覚で利用できる。

電子ペーパーということで、どんなに角度を付けても見やすい

本体上部には赤外線ポートがあり、学習リモコンとして利用できるという

タッチパネルに対応しており、左右のスワイプで画面切り替えは可能。裏面で動作するのは特定のアプリのみで、専用アプリのほか、液晶側で動作するアプリの一部を裏面で切り替えて使うこともできるという。

背面で予定表を表示したところ

例えば電子書籍を閲覧するのには、液晶よりも電子ペーパーの方が基本的には向いているので、そういった用途が考えられるだろう。常時表示なので、「スマートフォンを取りだして電源ボタンをオンして時間を確認する」といった程度の用途でも、取り出すだけで時計を見られて電力も消費しない。直射日光下でも電子ペーパーは見やすい。

画像を背面に表示する機能を使えば、搭乗券などのバーコードやQRコードといったスキャンが必要なデータを表示しておく、といった使い方も可能。ちなみに、液晶ディスプレイに触れながら電源ボタンをオンすると、背面の電子ペーパー側が利用できるようになるようだ。

同様の製品にはロシアのYotaPhoneがあるが、ブースの説明員によれば、機能は似ているがYotaPhoneに比べてスペックを向上させている、と話す。

発売は10月に欧州、11月に中国の予定。価格は400ユーロからだという。あまり期待せずに日本での発売も聞いたところ、あっさりと「ある」との回答。日本の企業と話をしているところで、年内にもその企業のブランドでこの端末がリリースされる予定だという。E-Inkを使った2画面スマートフォンは、YotaPhoneしかなく、日本では手に入れることが難しかった。今回、このDarkmoonが登場することになれば、日本でも面白い存在になりそうだ。