就職・転職活動において、相手企業があなたを最初に"触れる"のが履歴書だ。だが、70%の企業が1通の履歴書に目を通す場合、5分しかかけていない。こう聞くと、「なんとかして目立たねば」と思うかもしれないが、よく考えてみよう。目立とうと趣向を凝らすとマイナスになることもある。

スピード感が求められる時代、応募する側もそうだが、人事担当者も忙しい。米国の就職サイトであるCareerBuilderが5月~6月に、全米2500人以上の大企業に所属する正社員採用担当者に、「応募者の履歴書」に関する調査を行った。

これによると、「1通の履歴書を読むのに費やす時間は2分以内」と回答した採用担当者は48%にのぼった。つまり、あなたが何度も書き直し、誤字脱字チェックを繰り返して心を込めて書いたあなたの履歴書は、ものの1、2分であっさりと右の山から左の山に積まれているのだ。

だが、目立った者勝ち(?)、場合によっては手段をいとわない米国のジョブハンターたちの中には、この現実に肩を落とすのではなく、過剰な記述や、真実ではないことを書くことで目立とうという人がいる。いわゆる経歴詐称だ。

日本でも政治家などの著名人が履歴書詐称を行っていたことが話題になったが、米国でもよくあるようだ。調査では、採用担当の56%が履歴書詐称を経験していたという。詐称する項目として多かったのは、「特技/技術」で62%。その次に、「業務(54%)」と「勤務時期(39%)」「ポジション名/役職(31%)」「学歴(28%)」が続く。

履歴書詐称の変わったエピソードについて聞いたところ、「志望先の企業でCEOを務めていた」「ノーベル賞受賞者と書いていた」といったネタにもならないものがあれば、明らかな詐称として「運転手の経験10年としながらも、免許を取ったのは4年前だった」という嘘もあったという。

また、「HVACの資格ありと書いていたのに、採用担当に"HVACって何ですか?"と聞いてきた」という例もあった。ちなみにHVACは「暖房、換気、および空調」のこと。もちろん学歴詐称もあり、「○○大学に行ったと書いていたが、そんな大学は実存しなかった」と報告されている。

ユニークなものとしては、「2カ国語を流暢に話すと書いていたが、そのうちの1つはピッグ・ラテン(内緒話など意味を隠すときに使う言葉遊び)だった」「職務履歴に、『倉庫(warehouse)』のつもりで『売春婦宿(whorehouse)』と書いていた」「自分のWebサイトとして掲載していたリンク先がポルノサイトだった」と、苦笑いしたくなるものが挙げられている。

また、正直すぎて(?)驚かれた例もある。「前職(顧客サービス)を辞めた理由として、『怒った顧客への対応がいやだった』と書いていた女性がいた」というが、そんな彼女が応募したのは、顧客サービスだったオチ付き。

一方で、調査によると、すべての必須条件を満たさなくても候補として検討するという採用担当者は42%にのぼった。つまり、求人情報で必須とされている条件を満たしていないからといって、諦める必要はない。ましてや、履歴書を詐称するなんてもってのほかだ。

なお、企業が履歴書に求めるものは、「募集中の職種向けにきちんと作成した履歴書」(61%)がダントツで、「採用担当者の名前に宛てて送られている」(26%)、「自分のオンライン上のプロフィール、ブログ、Webサイトへのリンクがある」(21%)などが続くので、これらは日本でも同様の傾向のように思える。参考にしてほしい。