今年前半の話題としてはApple Music開始に代表される音楽の定額配信サービスの登場が挙げられるが、スマートフォンでは動画配信サービスも大人気だ。大物動画配信サービスの上陸も目前だが、はたしてモバイル回線は、これらのサービスを支えることはできるのだろうか?

動画でもビットレートが重要

音楽配信サービスの影響で、ビットレートという言葉はかなり市民権を得てきたように思われる。ビットとは、データを構成する最小単位のことだ。コンピュータは「ある(=1)」「ない(=0)」という2値の組み合わせで全てのデータを管理しており、データはこのビットに分解されて送信されている。ビットレートとは「1秒あたりのビット数」を表す言葉で、「bit per second」の頭文字をとって「bps」という単位で表す。たとえばLTEの「150Mbps」という単位は「1秒間に150メガビット(8ビット=1バイトなので、18.75メガバイト)転送できる」という意味だ。

データを転送する通信技術がビットレートで表されるように、時間に比例して大きくなる音楽やビデオといったデータそのものもビットレートで表すことができる。たとえば128kbpsのMP3ファイルであれば「1秒あたり128キロビット(=16キロバイト)のサイズになる」という意味だ。

ビットレートが高いデータほど、画面のサイズを大きくしたり、圧縮率を下げて圧縮ノイズの目立たない高画質な音声/映像を楽しめる。ちなみに市販のDVDビデオの場合、音声と映像を合わせて約9.8Mbps以内に、Blu-ray Videoの場合は約40Mbps以内に収まるように作られている。

ドコモの「PREMIUM 4G」では受信時最大「225Mbps」のスピードが出る。つまり、1秒間に28.125メガバイト転送できるということ