岸本斉史氏原作のアニメ『NARUTO-ナルト-』の最新映画『BORUTO-NARUTO THE MOVIE-』が8月7日に公開される。シリーズの主人公であるうずまきナルトの息子・ボルトたち世代を中心に展開されるストーリーにも注目だが、原作でもあまり描かれなかった大人になったナルトとサスケの共闘シーンが大迫力で描かれるなど、長年のファンにとってもたまらない内容になっている。

ナルトの声を、2002年のTVアニメ放送開始から担当してきたのは声優の竹内順子。ナルトを少年時代から演じ(現在も『NARUTO -ナルト- 疾風伝』はテレビ東京系にて毎週木曜19:30~放送中)、原作者・岸本氏に次ぐ近さからナルトとともに走り続けている竹内に、最新作の見どころや、第700話で一足早く最終回を迎えた原作の結末について聞いた。

――新世代を描く今回の映画は、前作『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』(2014年)を皮切りにスタートした"NARUTO新時代開幕プロジェクト"の集大成として位置づけられています。

竹内順子 撮影:宮川朋久

「終わりは始まりで、始まりはそのあと続く」というイメージが強く出ている作品だと思いますね。

――主人公・ボルトの活躍はもちろんのこと、大人になったナルトとサスケが共に戦うシーンなど、ファンにとっても見どころの多い作品です。

2人が協力するところは感動! でも、そこにすごく感動している自分がいつつも、まだアニメのほうではサスケとの確執は続いているので、なんとも言えない複雑な気持ちでした。2人が子ども時代の関係に戻ってるような瞬間が見られたのがうれしいですね。

――ナルトの火影ぶりも、過去のナルトから想像するとちょっと意外でした。

あれがね~(笑)。ナルトらしいなとは思うのですが、灯台下暗しですね。「そこまでやるなら家庭に一人作ればいいのに……」と心配してしまいそうなところですが、ここでやらないのがナルトなんですよね。

――ちょっと抜けているところがナルトらしいということでしょうか?

きっと影分身と本体って、ナルトであることにそんなに違いはないと思うんですよ。でも、ヒナタ、ボルト、ヒマワリたち家族のところには、本体で帰ろうという気持ちがナルトの中にあるのかなって。でなければ、影分身で済むわけですから。

――今回ナルトは、ボルトの父親としての顔も見せています。

映画で初めて父親になり、収録が終わってアニメに戻れば父親ではないので、一瞬未来を垣間見たような気持ちでした。私には、"父親をやる"ことについてはわからなかったので、そこはあまり考えず、"父親"ではなくあくまでナルトを演じるようにしました。私の両親も、"順ちゃんのお母さん"とか"順ちゃんのお父さん"って呼ばれるのは嫌だと思うんです。もちろん、言われてうれしい時もきっとあるとは思います。でも、私はそれよりも彼が"うずまきナルト"であることを大事にしたかった。いろんな経験を積んで、今に至ったナルトが、周囲のうまくいっていないことに対して感じている気持ちを特に意識して演じました。

――竹内さんご自身のお気に入りのシーンはどこでしょう?

ヒナタがナルトのことを、「あなた」と呼んだり、「ナルト君」と呼んだりするところ。あとは普通のごくありふれた生活の場面など、ナルトとボルト、サスケとサラダそれぞれの家族の絆を感じられるシーンですね。