ネットアップは8月5日、同社が6月に発表したオールフラッシュ ストレージ製品「NetApp AFF 8000シリーズ」の性能や技術についての説明会を開催。同社として、この製品をメインに、オールフラッシュ製品の訴求を積極的に行うことをアピールした。

ネットアップ システム技術本部 コンサルティングSE部 コンサルティングシステムズエンジニア 岩本知博氏

ネットアップ システム技術本部 コンサルティングSE部 コンサルティングシステムズエンジニア 岩本知博氏はまず、フラッシュの価格について触れ、「ネットアップは性能も高いが値段も高いフラッシュメディアを使う予定はない。フラッシュは今後製造が終了するSASの代わりで、今後は、メインストリームで利用していくのは、値段が下がっていくcMLCやTLCだ。われわれは、もっとお安く、身近なフラッシュを作ろうとしている」と語り、同社として、「NetApp AFF 8000シリーズ」でフラッシュ製品のコストパフォーマンスを追求していく姿勢を明らかにした。

フラッシュメデイアの動向

同社の製品では、既存製品であるFASシリーズもオールフラッシュ化は可能だが、ハイブリッド構成も可能なため、調査会社のカテゴリでハイブリッドに位置づけられてしまうという。そのため、ネットアップがオールフラッシュ製品をやってるイメージがユーザーに伝わりにくく、そこで新たなオールフラッシュブランドとして、「NetApp AFF(Al-Flash FAS))」をリリースしたという。

AFFはFASシリーズ オールフラッシュのリブランディング

AFFの機能的な差別化ポイントはミラーリングとマルチプロトコルだという

AFFの詳細

NetApp AFFはOSとしてClustere dNetApp Data ONTAPを搭載しており、FASシリーズと機能的に違いはないが、今後はよりフラッシュの最適化を行っていく予定だという。近々では、8月末~9月上旬にかけて、性能を10%向上させた新バージョン8.3.1をリリースする予定だという。

ただ、NetApp AFFには、オールSSDで構成したFASシリーズの違いも若干ある。岩本氏が説明したのは、価格、バンドルソフト、保証期間の3点だ。

価格については、ライセンスの考え方を変えたという。これまでは、コントローラの性能に合わせて価格もアップさせていたが、それを止めたほか、バンドルソフトも、SnapMirror、FxlexCloneなど、これまでは機能を付加するごとに追加課金していたため、他社に対する価格競争力がなくなる面もあったが、NetApp AFFでは、搭載するSSDの容量に応じた課金に変更したという。これにより、ハイエンドのコントローラを搭載した場合、よりFASシリーズに比べコストパフォーマンスがよくなり、今後の拡張を見越して、あらかじめ余裕をもった製品の導入が可能になるという。

FASシリーズとの違い

具体的には、20TBモデルでは、SASモデルよりオールフラッシュのNetApp AFF 8000のほうが安くなり、40TBモデルでは、ほぼ同等だという。

岩本氏は「もはやSASを使う理由はない」と強調した。

AFFとFASシリーズの価格差

保証面では、FASシリーズの最長5年保証に対して、NetApp AFFでは延長で7年保証に対応する。

同社では今後、FASシリーズでハイブリッドシステムを検討するユーザーに対しても、積極的にNetApp AFF 8000のオールフラッシュを提案していくという。

なお、NetApp AFF 8000シリーズは、容量の異なる4つのモデル(NetApp AFF 8020(5TB)、NetApp AFF 8040(10TB)、NetApp AFF 8060(20TB)、NetApp AFF 8080(40TB))があり、最小構成価格は1,300万円~(税抜参考価格)となっている。