スマートフォンの運用コストを節約できる"格安スマホ"(格安SIMサービス)が注目を集めている。現在、様々なMVNO(仮想移動体通信事業者)が業界に参入し、それぞれ特徴のあるサービスを打ち出している。

そこで本企画では、個別の格安SIMサービスを紹介していく。今回は、OCNが提供するMVNO通信サービス「OCN モバイル ONE」について紹介したい。

プラン変更も自由なユニークな料金プランを用意、gooのスマホなどのセット端末も提供

OCNは、NTTコミュニケーションズが運営するインターネットサービスプロバイダ。OCN モバイル ONEは、NTTドコモのネットワークを利用した格安SIMサービスとなる。

OCNが提供する格安SIMサービス、OCN モバイル ONE

OCN モバイル ONEでは、月額料金タイプの「音声通話対応」「データ通信専用」「SMS対応」「050 plus付き」のほか、利用期間やデータ容量が限定されるプリペイドタイプも展開している。月額料金タイプでは、日次コース、月次コースというユニークな料金プランを提供。110MB/日、170MB/日、3GB/月、5GB/月、15GB/月(500kbps)から選択できる(詳細は後述)。データ通信専用SIMなら月額900円から、音声通話対応SIMなら月額1,600円から利用できる。

プランの申し込みは同社オンラインのほか、一部の家電量販店などでも行える。他キャリアからOCN モバイル ONEの音声機能付きプランにMNPする場合、即日受渡しカウンターを利用すれば、その場ですぐに070/ 080/ 090の電話番号で音声通話が可能な状態の音声SIMカードを受け取れる。

データ通信専用SIM、音声通話対応SIM、端末セットプランを提供

端末とセットのプランも提供されているのもOCN モバイル ONEの特徴だ。初期費用10,800円(税込)で始められる「gooのスマホ」のほか、「ZenFone 2」(ASUS製)、「AQUOS SH-M01」(シャープ製)、「Huawei P8 lite」(ファーウェイ製)などのスマートフォン端末、「YOGA Tablet 2」(レノボ製)などのタブレット端末、「Aterm MR04LN」(NECプラットフォーム)などのWi-Fiルータとのセットを用意している。

初期費用10,800円で始められるgooのスマホ、ZenFone 2など人気のスマートフォンのほか、YOGA Tablet 2などのタブレット端末、Wi-Fiルータとのセットなども用意

また、オプションとしてIP電話アプリ「050 plus」、電話サポート「マイポケット プラス」、セキュリティ対策アプリ「マイセキュア for スマートフォン」なども利用できる。電話を頻繁にかける人にとって、固定電話に8円/3分で、携帯電話に16円/1分でかけられる050 plusは心強い味方になることだろう。

OCN モバイル ONEの料金プランの特徴とは?

それではOCNモバイルONEの料金プランについて、もう少し詳しく紹介していこう。例えば日次の110MBコースの場合、毎日110MBまでLTEによる高速通信が行える。制限容量を使い切ると速度が200kbpsに落ちるが、この200kbpsという通信速度について担当者は「YouTubeなどの動画を視聴するには遅いが、SNSやLINEでのやりとり、Webサイトの閲覧など通常の用途なら問題のない速度」と説明している。ちなみに、110MB/ 日の日次コースが利用者の一番人気だという。

さらに余った通信容量は、翌日(月次コースなら翌月)に繰り越せる仕様だ。例えば110MB/ 日の日次コースを契約中で、通信をまったく行わない日があったとする。その場合、翌日は220MBまで高速通信が利用できる。繰り越せる期間は日次コースなら翌日まで、月次コースなら翌月末まで。なお毎月1回まで契約コースの変更が可能で、オンラインまたはアプリから簡単に手続きが行える。その時々の利用状況に応じて、最適なコースを選択できるのが大きなメリットだ。

料金プランは、日次コースと月次コースを提供。余った容量は翌日(月次コースなら翌月)に繰り越せる。契約コースの変更は毎月1回可能

SIM業界シェアNo.1を誇るOCNモバイルONE(2015年3月、MM総研調べ)。利用者の支持を集めている要因はどこにあるのだろうか。担当者は「OCNブランドの信頼感、コールセンターの規模の大きさ、充実したサポート体制などにあるのではないか」と分析している。OCNはNTTのグループ企業であり、ネットワークが安定しているのが特長。大手プロバイダとして長年の実績があり、サポートセンターの規模も大きい。”格安SIMサービス”という多少の不安がつきまとうサービスを利用するにあたり、利用者は大手ブランドに安心感を求めているのかも知れない。

担当者は、今後の展開について「売り場面積を増やし、即日受渡カウンターも増設していく。お店で相談して頂くことで、利用者の不安を払拭できれば」と話している。利用者層については「1年前は、高リテラシー層が中心だった。しかし最近はSIMロック解除の義務化、テレビCMの影響などでその流れが変わってきた。一般のスマートフォン利用者にも、『大手キャリア以外にも選択肢があるんだ』と、興味が広がりつつあるのを感じる」と話していた。