まとめと考察

今回はあくまでもアプリケーション性能を中心に簡単にBroadwell-HことCore i7-5775Cを分析させていただいたが、大ざっぱにまとめれば

  • 純粋なCPU性能はやはり動作周波数なりということで、絶対性能を求めるならHaswellの方が高速。
  • ただしアプリケーションによってはL4の効用でより性能が改善されるが、それでもHaswellベースのCore i7-4790K程度。これを超えるケースは殆ど無い。
  • 内蔵GPUの性能は前評判通りで、L4キャッシュと相まってかなり快適。ただしFull HDまで。
  • 消費電力は格段に下がる。
  • オーバークロックにはやっぱり向かない。むしろ低消費電力を狙う人向け

というあたりだろう。悪い製品ではないと思うが、IntelのベンチマークスタッフがCOMPUTEXで口を濁していた通り、Haswellベースの製品を性能的に置き換えるというものではない。なので、高性能を狙う人にはあまりお勧めはできない。

むしろ「性能はそこそこでいいから消費電力を下げたい」「内蔵GPUの性能をもうちょっと何とかしたい」人向けの製品といえるだろう。ただその割りに価格が高いのが難点、というあたりだろうか。

ついでにGodavariベースのA10-7870Kについても述べておけば、価格の割によく頑張ったというべきだろう。少なくとも性能/価格比で言えば、明らかにHaswellやBroadwellを上回っているし、内蔵GPUを使うケースでは絶対的な性能でも拮抗している。

ただ消費電力の多さはもはやいかんともしがたいところ。なので、コストパフォーマンス重視向けという感じで、取りあえずZenコアの製品が出てくるまでのつなぎと割り切って使う分には悪くない選択かもしれない。