Apple Musicで流れる曲のソースは何だろう、と疑問に思ったことはないだろうか。非可逆圧縮コーデック「AAC」で符合化され、ビットレートは可変(VBR)の256kbps、かつて「iTunes Plus」と呼ばれたフォーマットだということはわかっていても、その基となったオーディオデータは知らない人のほうが多いはず。

その基となったオーディオデータは、まさに「いろいろ」。オリジナルマスター(96~192kHz/24bit)からCD用(44.1kHz/16bit)にデータを作成し、そこからiTunes向け(AAC 256kbps)にエンコードされた曲もあれば、CDからエンコードされた曲も少なくない。ここ数年はともかく、かつてiTunes Storeへの納品はCDで行われていたことは確かだ。

Appleが音質向上策として採用したのが「Mastered for iTunes」だ。その規定では、AACファイルを生成するときのソースとしてCDを上回る情報量のマスターを使用することとされており、かんたんにいえば"CDよりいい音"がソースとして使われる。信号量が一定範囲を超えるときに生じる音声の歪み「クリッピング」の発生を抑える工夫もあり、おおむね従来の方法より音質は優れているとされる。非可逆圧縮することに変わりはないが、その制約内で最善を尽くそうとしているわけだ。

Apple Musicでは、iTunes Storeで購入できる楽曲をそのまま聴くことができる。Mastered for iTunesの楽曲かどうかは区別されないので、知らず知らず好条件で生成された楽曲を聴いているかもしれないのだ。

自分がCDから取り込んだ曲と同じ曲がApple Musicにあり、何度聴いてもApple Musicのほうが高音質に感じられる場合は、その曲がMastered for iTunesかどうか確かめてみるといいだろう。Apple Musicに確かめる方法はないが、以下の手順で操作すればすぐにわかるはずだ。

操作手順をカンタン解説

1 気になる曲/アルバムの右端にある「…」ボタンをタップする

2 現れたメニューで「iTunes Storeで表示」をタップする

3 Mastered for iTunes準拠のアルバムは、曲リストの上に「Mastered for iTunes」と記載がある

(提供:iPad iPhone Wire)