夏に食べたい、冷たいグルメといえば冷やし中華。酸味の効いた爽やかな味わいが、暑くなると恋しくなる人も多いのでは。しかし世の中には、我々の想像を絶する"がっつり系"の冷やし中華も存在する。東京・西早稲田の「用心棒II階」で味わえるというので、早速行ってみた。

西早稲田で"がっつり冷やし中華"を発見!

がっつり冷やし中華はカスタマイズ自在!

「用心棒II階」

「用心棒II階」は、東京メトロ副都心線「西早稲田」駅から徒歩5分、JR「高田馬場」駅から徒歩7分の位置にあるラーメン店。自家製麺を使ったラーメンやまぜそばで人気の同店が、夏季限定で提供するメニューが「冷やし中華」(850円~)である。

同店の冷やし中華は、東京・駒場のラーメン店「千里眼」直伝のメニュー。製麺会社「浅草開化楼」の特製麺を使用し、7種の野菜と豚チャーシューがたっぷり入ったボリューム満点の一品だ。

こちらでは、「ラーメン二郎」のごとくメニューにさまざまなカスタマイズを施すことができる。「冷やし中華」では野菜の量を少なめ~マシマシで調節できるほか、麺量は半分(100g)・並(200g)・中(250g)・大(350g)の4種類、無料のトッピングはガリマヨ(ガーリックマヨネーズ)・アブラ・ニンニク・辛ショウ・辛揚げ、といった具合だ。"辛ショウ"と"辛揚げ"は、それぞれピリ辛の味付けがされた刻みショウガと揚げ玉で、この2品のみどちらか1品のみのトッピングとなる。

せっかくなら一番の大盛りを! ということで、今回は麺量350gの「冷やし中華(大)」(950円・税込)を野菜マシマシ・ガリマヨ・ニンニク・辛揚げでオーダー。軽い気持ちでの注文だったが、運ばれてきた冷やし中華を見て事の重大さを理解した。

写真左から、「冷やし中華(大)」野菜マシマシ・ガリマヨ・ニンニク・辛揚げ、「冷やし中華(大)」野菜マシマシ・ガリマヨ・ニンニク・辛ショウ(共に950円)

"味変"が完食のカギ!

野菜の高さをiPhone 6と比較

最も目を引くのは、うずたかく積み上げられた野菜の山。モヤシ・ダイコン・ニンジン・キュウリ・ミズナ・レッドキャベツ・ミニトマトの7種類の野菜が入っており、色とりどりで見た目も楽しめる。

野菜の山のふもとを埋めるのは、赤色が鮮烈な印象の"辛揚げ"に、大ぶりの豚チャーシュー、そしてたっぷりのニンニクだ。

とにかく、いただいてみよう。山盛りの野菜を食べないと麺に辿りつけないので、まずは野菜から攻めていく。モヤシや細く刻んだダイコンはシャキシャキの食感で、爽やかな味わいは夏にぴったり! ニンニクの香りが効いた"ガリマヨ"のがっつり感とも好相性だった。

柔らかく煮こまれた豚チャーシューも、ホロホロとほどけるような口当たりに、トロッとした脂がたまらない。肉厚で食べごたえも十分!

麺は見えない

豚チャーシューも絶品!

野菜の山をある程度崩せば、麺を掘り返すことが可能となる。ストレートの特製麺はコシが強く、弾力のある食感。店長の坪田仁志さんいわく、「こってり味に合うように、麺の食べごたえをあえて増している」そうだ。その言葉通り、ゴマ油の風味が効いたこってり系のタレにも麺の存在感が負けていない。

これくらいまで野菜を減らせば麺を見ることができる

麺はストレートで食べごたえ抜群

注意してほしいのは、麺の食べごたえゆえに見た目の量よりも満腹感があること。"マシマシ"の野菜と"大"の麺量を同時にカスタマイズするのには、相応の覚悟が必要になるだろう。というか、自信がないならやめた方がいい。筆者の場合、麺にたどり着いた時にはすでにラーメン1杯分くらいの満腹感を味わっていた。しかし本番はこれからだ……!

坪田さんによると「食べ進め方は人それぞれ」とのことだが、オーソドックスなのはトッピングを少しずつ混ぜながら味を変えつつ食べていく方法らしい。辛揚げを混ぜれば、ザクザクした食感とピリッと辛い刺激が、濃厚なタレにアクセントを加えてくれる。ニンニクやガリマヨを多めに加えれば、ニンニクの効いたタレがより濃厚な味わいに。

卓上にはさまざまな調味料も備え付けられており、味変に重宝する。一味唐辛子で辛味を加えるも良し、酢で酸味をつけるも良しだが、「用心棒」にしかないという"カレースパイス"もおすすめだ。単なるカレー風味の粉ではなく、複数種類のスパイスが複雑に絡んだ本格的な香りを楽しめる。味や風味がガラッと変わるので、ぜひ一度お試しを。

調味料を使った味変もおすすめ

筆者もさまざまな味変を駆使してなんとか食べ進めていったが、1/4ほどの麺を残してギブアップ……。大食いに自信のない人は麺量を並か中にしたり、野菜の量も調節したりした方が良さそうだ。

あえて"逆"を行った冷やし中華

冷やし中華といえば酸味の効いたゴマダレの印象が強いが、同店の冷やし中華には酢や柑橘果汁といった酸味の強い調味料が一切入っていない。同店の人気メニューである、まぜそばやラーメンの持ち味を生かすべく、あえて冷やし中華の王道の「逆を行こう」と開発したメニューだそうだ。

学生街の立地とあって、同メニューの挑戦者は男子学生が多いそうだが、"麺少なめ"のオーダーでたっぷりの野菜を楽しむ女性客も増えてきているそう。猛暑が予想されている今夏、"がっつり系"の冷やし中華で、涼を取ると同時にパワーも補給してみてはいかがだろう。

なお、同店は無休で、営業時間は11:15~14:45(ラストオーダー)および17:30~22:30(ラストオーダー)。11:15~14:45にはランチサービスで麺増量か小ライスが無料になるが、無理なく食べきれる量をオーダーしよう。