シトリックス・システムズ・ジャパンは7月23日、ユーザーやパートナー向けに、同社の コンセプトである「Mobile Workspace」を実現するための製品を紹介するイベント「Citrix TechDay」を東京・品川で開催した。なお、「Citrix TechDay」は、今回が初開催となる。
午前中のジェネラルセッションでは、シトリックス・システムズ・ジャパン 営業推進本部プロダクトソリューション推進部 シニアプロダクトソリューション推進マネージャー 竹内裕治氏が登壇。
同氏は、「世の中ではSoftware Definedが注目されているが、シトリックスにとってのSoftware Definedはモバイルワークスペースだ。モバイルワークスペースとは、場所やデバイスを変えても、自分の作業を継続して行えることだ」と述べ、モバイルワークスペースを実現するための機能の最新アップデートを中心に説明を行った。
同氏がまず紹介したのは、先月末にリリースした「XenApp/XenDesktop 7.6 Feature Pack 2」(以下、FP2)によるLinuxサポート。FP2では新たにSUSE、Red Hatがサポートされた。これにより、ラインセンス料が下がり、より低価格なVDIを実現できるという。
ただ、最新版の7.6に移行できないユーザーも多くおり、その対策として、3つの施策を実行すると説明。具体的には、もっとも国内での利用が多いCitrix XenApp 6.5のユーザー向けに、サポート期間延長、XenApp 6.5 Feature Pack 3の提供による機能強化、移行サービスの3つを提供するととした(具体的にはこちらを参照)。
また、企業内アプリアトアを実現するStoreFront3では、XenApp 5/6・6.5/7.6向けの、複数バージョンのアプリを統合利用可能になっている。
さらに同イベントでは、公開間近のWindows 10に対するXenAppの対応も発表された。
具体的には、 Windows 10対応の「Receiver for Windows 4.3」の提供、Windows 10 仮想デスクトップへの対応、Windows 10アプリケーションの移行支援(AppDNA)の3つを行うという。
「Receiver for Windows 4.3」のダウンロードはすでに始まっており、Windows 10 仮想デスクトップは、現在はテクニカルプレビューの状態だが、近いうちにリリース予定だという。
AppDNAによる移行サポートでは、既存のWindowsアプリケーションのWindows 10への移行に、AppDNAを利用することで、アプリケーションの機能分析や問題箇所の特定と修正内容把握を自動的に行うことができるという。また同社は、Citrix Solution Advisors (CSA) パートナーに、Citrix AppDNAアプリケーション移行支援ソフトウェアを無償で提供している。
続いて登壇したシトリックス・システムズ・ジャパン 営業推進本部プロダクトソリューション推進部 プロダクトソリューション推進部 マネージャー 山田晃嗣氏は、XenMobileの強化ポイントを説明。
同氏は、企業版のEvernoteといえる「WorxNotes」のほか、「WorxMail」ではZIP添付ファイルの閲覧、「ShareFile」ではモバイルアプリでのPowerPointスライドショーをデモを交えて紹介した。
そのほか、運用面ではXenDesktop 7で追加された新しい統合ツールCitrix DirectorやEdgeSightを紹介。これらのツールでは、システムの状態やセッション単位で詳細な情報を確認できるため、レスポンスの悪化などの対策に役立だてられるという。
また、開発中の製品としてCitrix Workspace Cloudを紹介。これはITツールやサービスのオンデマンド配信を簡素化することを目的として設計された新しいプラットフォームで、クラウド、オンプレミスを問わず、Citrix Workspace Cloudで定義した企業内で必要なアプリケーションやシステムを一元的に展開することができるという。
そして、竹内氏は最後に「バイルワークスペースの最適解がCitrix Workspace Suiteだ」と述べ、XenApp、XnDesktop、XenMobile、ShareFile、MDMなど、同社が提供するソリューションを統合したスイートパッケージをアピールした。