暑い夏に味わいたい爽快感。それは何も、海やビールだけのものとは限らない。東京には、ふらりと訪れるだけでスッキリしてしまうスポットが結構あるものだ。そのひとつが、どこまでも続く空や眼下に広がる都市を一望できる展望台。今回は東京都内にありながら無料で上れる、オススメ展望スポット4選を紹介しよう。

東京都庁からの風景。この夜景も無料で楽しめる (c)Flickr/Takashi Hososhima

丸の内で楽しむハイセンスで開放的な空間

JR東京駅と皇居の間にある「新丸ビル」にはハイセンスなムードの漂う展望スポットがある。7階のレストラン街「丸の内ハウス」(千代田区)に広がるテラスだ。

ビルの3辺を締めるこの屋外のテラスには緑が豊富に植えられ、とても開放的。レンガが敷きつめられたデッキにはウッドのテーブルとイス、ベンチなどが設置されているため、読書をしたり街を眺めたりと、思い思いの時間を過ごすことができるだろう。

飲食物の持ち込みはできないが、丸の内ハウスにある8店舗の飲食店のテイクアウトメニューをテラスで楽しむことが可能。9月27日までは各店オリジナルのジョッキに注がれたビールをテラスで楽しめる「BEER TERRACE」も開催している。時折、音楽ライブなども行われるそうだ。

夜は重厚感ある東京駅のライトアップやオフィスビルの夜景が美しい。丸の内ならではの展望を満喫できるだろう。場所は各線「東京駅」より徒歩1分となる。

地上200mから見渡す東京

無料展望スポットとして人気の高い「東京都庁展望室」(新宿区)はぜひ訪れたい場所のひとつ。東京の風景を360度のパノラマで一望できる、ぜいたくすぎるスポットだ。

新宿の高層ビル街はもちろん、東京スカイツリーや東京タワーも見ることができる。空気の澄んだ冬であれば、富士山も望めるとのこと。中でも、はるかかなたまで続く街の夜景は一見の価値あり。東京らしい景色を目の当たりにできるだろう。

展望室は南と北のビルにそれぞれあり、どちらも高さは202m。第一本庁舎1階から専用エレベーターで45階まで上っていく。南北とも見える風景が異なるが、夜であれば23時まで開放している北展望室を訪れたい。

ここでは絶景を望めるフレンチコロニアル風のレストラン「Good View Tokyo」のカウンターで夜景を眺めながらグラスを傾けることができるのだ。毎週火曜・水曜日にはピアノの生演奏も行われている(ミュージックチャージが別途必要)。特別な日に訪れてみるのもいいかもしれない。場所は各線「新宿駅」より徒歩8分、もしくは都営大江戸線「都庁前駅」より徒歩2分となる。

「関東の富士見百景」に選ばれた展望ラウンジ

区役所の入った公共の施設ながら、「関東の富士見百景」に選ばれた展望スポットが「文京シビックセンター」(文京区)だ。地上142m、25階にある展望ラウンジには湾曲した壁面にそってガラス窓が据え付けられているため、ダイナミックな景観を一望できる。眼下には東京大学や小石川植物園などが広がり、街の中の緑豊かな東京を楽しむことができるだろう。

また、ここで見ておきたいのがビルの背後にそびえる美しい富士山だ。2月と11月の日没には、富士山頂に太陽が差し掛かるダイヤモンド富士を見ることができる。ほんの1~2日間しか見られないため「関東の富士見百景」を参考に訪れたい。

そのほか、展望ラウンジにはホテル椿山荘東京のレストラン「シビックスカイレストラン椿山荘」がある。風景を楽しみながらのランチやディナーもいいだろう。場所は東京メトロ各線「後楽園駅」、もしくは都営地下鉄各線「春日駅」より徒歩1分となる。

展望と花火、そしてビールも楽しむなら

展望だけでなく、まとめていろいろ楽しみたいなら「恵比寿ガーデンプレイスタワー 」(渋谷区/目黒区)はいかがだろう。最上階の38~39階のレストラン街の一角には展望スペースが併設されている。周囲には高いビルがなく、渋谷や代官山、新宿の高層ビル、東京タワーなどが広々と広がる景色を見ることができる。しかも8月には神宮外苑の花火も楽しめるという、夏場に最適なスポットだ。

また、合わせて恵比寿ガーデンプレイス1階のヱビスビール記念館を訪れてみてもいいだろう。試飲付きのツアーやテイスティング(どちらも有料)などを楽しめる(詳しくは「東京都から行けるビール工場見学6選」を参照)。場所は各線「恵比寿駅」より動く歩道「スカイウォーク」を通って徒歩8分となる。

昼であれば青い空と街を眺め、夜であれば星空のごとく輝く夜景に酔いしれる。お金をかけずに都会の絶景を楽しむことができるのが、これらの展望スポットだ。爽快な気分を求めて出かけてみてはいかがだろうか。

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。