既報の通り、デルは7月23日、高い堅牢性や防水性を持たせた11.6型「Latitude 12 Rugged タブレット」(以下、Ruggedタブ)を発表した。ここでは新製品説明会の模様をお伝えしよう。ゲストとしてお笑いコンビのロッチが登場し、Ruggedタブの防塵性、耐衝撃性、防水性を実際に激しく(?)試した。

11.6型Windowsタブレット、「Latitude 12 Rugged タブレット」

フォトセッションでのロッチ。コカドさん(左)がずぶ濡れなのは……

場所は、東京都・豊洲マジックビーチ。ビル群に囲まれた人工ビーチのなか、コンテナモールのカフェで開催された。発表会は2部構成で、第1部がデルとインテルによる製品紹介が中心、第2部がロッチによる製品デモだ。

東京都・豊洲マジックビーチ

会場に展示されたデル製品群

既存モデルのLatutude 14 Rugged(写真左)、Latutude 14 Rugged extreme(写真右)

下の動画にて、Latutude 14 Rugged extremeを試しに落下させてみたが、問題なく起動した。もちろん、外損は見当たらず

【動画】Latutude 14 Rugged extremeの落下テスト(電源オフで、1.2m相当から自然落下)
※音声が流れますのでご注意ください。

ハードウェアだけでなく、ソフトウェア面の堅牢性も高い

クライアント・ソリューションズ統括本部統括本部長 山田千代子氏

まず第1部。冒頭のスピーチに立ったのは、デルのクライアント・ソリューションズ統括本部統括本部長 山田千代子氏。今年2月に営業部隊からクライアントソリューション部に異動になったという、現場を熟知した新しいリーダーだ。

山田氏は、同部のミッションまず「多様化する顧客ニーズに対応する革新的な製品、ソリューションを継続して提供すること」、「目まぐるしいビジネス変化に対応し、進化し、イノベーションを引き起こすこと」の2点に言及。

そして、既存のRuggedシリーズがエンド(顧客)から、耐久性とセキュリティ対策の観点から高い評価を受けているとした。その上で「『もう少し軽い方が良い』というユーザーニーズに応えるためにRugged タブレットの発表に至った」と熱く語った。

顧客に好評というRuggedシリーズ

Latitude 12 Rugged タブレット

インテル営業本部市場開発マネージャー佐々木邦彦氏

次に、インテル 営業本部 市場開発マネージャー 佐々木邦彦氏が「ビジネスを変革するインテル最新テクノロジーの紹介」の題で登壇。

まずは今年がムーアの法則50周年であるとして、様々なイベントを企画していることに触れ、一例として8月1日~21日に東京都科学技術館にて開催される記念展示を紹介した。

続けてCore Mプロセッサの特徴などを解説。Core Mプロセッサはファンレス2in1デバイスに最適として、第4世代Coreと比較してトランジスター数が1.4倍、ダイサイズが60%になったことなどを語った。さらに、ワークスタイルの変革を支えるワイヤレス技術として「インテルProワイヤレス・ディスプレイ」「インテルワイヤレス・ドッキング」の2つを挙げつつ、vProテクノロジーとインテルアクティブ・マネジメント・テクノロジーについても述べた。

ムーアの法則は今年50周年

ムーアの法則 50周年展示会

Core Mプロセッサ

Core Mの特徴

WiDiなどがワークスタイルの変革を支える

プレゼンテーションのまとめ

そして主題のRuggedタブへ。クライアント・ソリューションズ統括本部マーケティングマネージャー 本谷和美氏から、製品詳細について説明があった。

クライアント・ソリューションズ統括本部マーケティングマネージャー 本谷和美氏

おおまかな仕様をまとめると、ディスプレイは11.6型液晶(1,366×768ドット、静電容量式マルチタッチ対応)、第5世代Intel Core M-5Y71プロセッサ、メモリ8GB、ストレージはBTOで最大512GB SSD、グラフィックスがIntel HD Graphics 5300(CPU内蔵)だ。OSはWindows 8.1 / 8.1 Pro、Windows 7 Professionalのほか、Windows 10 / 10 Proも後日提供予定となっている。

通信機能として、IEEE802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0のほか、オプションでLTE/3G通信も搭載できる、対応バンドは、LTEがバンド1、3、7、8、20で、3Gがバンド1、2、5、8だ。本体サイズはW312×D203×H24mm、重量は約1.62kg。バッテリは2セルバッテリ×2個を搭載可能で、ホットスワップに対応している。

Ruggedシリーズ

製品ポジショニング

本谷氏は、Ruggedタブの製品ポジショニングを、過酷な環境向け高性能タブレットと定義。まず製品の特徴として以下の5点を挙げた。

  • 手袋でも操作可能で、屋外でも見やすい
  • 豊富なエコシステム。デスクドック、IP65準拠のフルサイズキーボードなど
  • ホットスワップ対応バッテリ(1日中使える)
  • 多彩な通信環境の対応。802.11ac対応Wi-Fi、専用GPS、オプションでモバイルブロードバンド(SIMフリー)対応など
  • 第3者機関による包括的な軍用規格に適合

Ruggedタブ、5つの特長

特に耐久性の面では、ナノテクノロジーであるHZOによるコーティングを採用し、完全防水に対応することを紹介。また、米軍調達規格である「MIL-STD-810G」についてもパスした仕様を公開。競合他社の試験よりも幅広くテストを実施し、包括的に適合していることをアピールした。

HZOによる完全防水

MIL-STD-810G適合についての詳細

エコシステム概要

本谷氏による製品紹介まとめ

まとめとして本谷氏は、同製品の強みは「場所にとらわれない生産性」、「フィールドで不可欠な堅牢性・管理機能・セキュリティ」、「IT管理者の負担を軽減」と3つに絞った。特にセキュリティ面ではvPro対応、TPM1.2セキュリティチップ搭載というだけでなく、スマートカードリーダーや指紋認証、DDPEに対応を紹介。セキュリティについての重要性についても語った。

クライアント・ソリューションズ統括本部セールスエンジニア 梅原隆幸氏

エンドポイントセキュリティ

第1部の最後には、クライアント・ソリューションズ統括本部セールスエンジニア 梅原隆幸氏から「Dell Data Protection」について解説があった。

梅原氏は、Ruggedタブが物理的に堅牢であっても、最終的にデータを守るにはソフトウェアが必要として、そのソリューションが「Dell Data Protection|Encryption」(DDP|E)を紹介した。DDP|Eのコンポーネントは「認証」、「暗号化」、「標的型攻撃」の3つで構成され、エンドポイントセキュリティを提供する。梅原氏は、実機を使って、Yahoo IDでの認証やYahooメールにおけるウィルス添付ファイルの対応などをデモンストレーションした。

DDP|Eのデモ。Yahooメールの添付ファイルがウィルス感染

DDP|Eのデモ。添付ファイルのウィルスに対策が取られる

ロッチが体験。Ruggedタブの防塵性・耐衝撃性・防水性

第2部は、「ロッチ」によるRuggedタブ、製品デモンストレーション。場所を屋外の人工ビーチに変えて実施した。デモの種類は3つ。防塵、耐衝撃、防水だ。写真で見てみよう。

ロッチがつなぎを着て登場

防塵を確かめるため

まずは、丸ノコで金属を切る。火花がRuggedタブに

まったく問題なし!

次は耐衝撃テスト

落下後も問題なし

最後に防水テスト。コカドさん、お約束です

激しい水

防水性についても、まったく問題なし

「Ruggedタブ」フォトギャラリー

「Latitude 12 Rugged タブレット」を持つ、クライアント・ソリューションズ統括本部統括本部長 山田千代子氏

背面。バッテリを2個装着できる

ホットスワップ対応バッテリ

スマートカード挿入イメージ。写真はダミー

SIMスロットは右側のバッテリを外すと見える

スタイラス付

画面下部に配置されるWindowsボタン、各種ファンクションキー

インタフェース

指紋リーダーは背面に設置

背面カメラ、その下には、約3センチ径のファンがレイアウト(写真はデモ後に撮影したため、砂が入っているように見えるが問題なくタブレットは動作している)