咳が止まらない原因は本当に風邪ですか? ‐ 年代別に考えられる病気はコレ | マイナビニュース

【レポート】

咳が止まらない原因は本当に風邪ですか? ‐ 年代別に考えられる病気はコレ

 

咳が止まらない原因は風邪じゃないかも!?

ビジネスシーンで困る風邪の症状の1つに「咳(せき)」があります。大事なプレゼンのときに咳き込んでしまったり、通常の会話で周りにうつしてしまわないかと心配になったりと、何かと厄介ですよね。

中には、咳の症状だけが長引いてお困りの人もいるのではないでしょうか? 実は、咳を伴う病気は風邪以外にもたくさんあります。今回は、長引く咳の症状から考えられる病気について解説します。

咳が出る風邪以外の病気は?

咳には、乾いていて痰(たん)が絡まないタイプの「乾性の咳」と、粘性が強く痰が絡むタイプの「湿性の咳」の2種類があります。咳が1週間以上続いている場合は、風邪以外の病気の可能性を視野に入れてみましょう。咳を伴う病気は多岐にわたりますが、年代に応じて主に次のような病気が考えられます(※ほかの年代でも起こることがあります)。

■赤ちゃんや子どもの咳
・百日咳

「百日咳菌」を原因とする急性の気道感染症で、けいれんを伴う咳発作と嘔吐が主症状です。感染力が強く、飛沫(ひまつ)感染や接触感染でうつります。百日咳の免疫は母親からもらえないため、新生児がかかると重症化しやすい傾向に。ワクチンの予防接種が必要です。

・マイコプラズマ肺炎
「肺炎マイコプラズマ」を病原体とする、6~12歳の小児に多く見られる感染症。主症状は咳と発熱で、咳は乾性から湿性へと徐々に変わっていきます。中耳炎、胸痛、心筋症、髄膜炎などの合併症を起こすこともあります。

・アトピー型喘息(ぜんそく)
アレルギーの原因物質(アレルゲン)との接触により、アレルギー反応として気管支が狭くなり発作を起こします。主症状は、咳や痰、ヒューヒューやゼーゼーと音が鳴る(喘鳴)、呼吸困難など。ハウスダストや花粉などのアレルゲンを特定し避けることができれば、症状は治まります。
■成人(中高年を除く)の咳
・成人発症で見られる喘息
子どもの頃にアレルギー体質ではなかった人が大人になってから突然発症する発作。症状はアトピー型喘息と同じですが、アレルゲンが特定できず、ウイルスなどの感染、過労、ストレス、気温の変化など、さまざまな刺激が引き金となって起こります。

・咽頭炎
咽頭(舌の付け根部分)が炎症を起こす病気。急性咽頭炎はウイルスや細菌、インフルエンザなどの感染によるものが一般的です。急性咽頭炎が悪化したり、喫煙や飲酒などで咽頭が持続的に刺激されたりすると、慢性咽頭炎に進行します。のどに異物感や不快感があるので、咳払いが増えます。

・喉頭炎
喉頭(のどぼとけ部分)の粘膜に炎症が起きます。急性喉頭炎は風邪から移行することが多いですが、アレルギーや声の酷使、鼻炎の悪化、刺激性ガスの吸引なども原因に。主症状には乾性の咳、声枯れ、のどの乾燥や異物感などが現れます。

・副鼻腔(びくう)炎
風邪などでウイルスや細菌が鼻腔に感染し、副鼻腔(鼻腔の周りにある空洞)の粘膜にまで炎症が起こる病気。いわゆる「蓄膿(ちくのう)症」はこの中に含まれます。主な症状として、鼻水がのどに流れ込む「後鼻漏(こうびろう)」による咳、鼻水や鼻づまり、頭痛などさまざまな症状が現れます。
■中高年の咳
・慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)
主にタバコなどの有害物質の吸引によって肺に慢性的な炎症が起きる病気で、罹患(りかん)者のほとんどは喫煙経験があるといわれます。気道がたもてなくなることで、咳や呼吸困難などの症状が起こります。

・肺がん
呼吸をするための器官である肺の細胞に現れるがん。喫煙や受動喫煙、アスベストなどが原因になることが知られています。主な症状に、激しい咳や血の混じった痰の出現、呼吸困難、胸の痛みなどがありますが、肺がんは初期症状が出にくい傾向があります。

・喉頭がん
発声機能をつかさどる喉頭にできるがんで、男性に多い病気です。肺がん同様、喫煙が発症リスクを高めることが報告されています。できる部位によって声門上がん、声門がん、声門下がんに分けられますが、いずれも声枯れに続いて、のどの違和感や異物感が現れます。進行すると、咳や血の混じった痰が出るほか、食べ物を飲み込めなくなる嚥下(えんげ)障害や、呼吸障害などを引き起こします。

・肺結核
結核菌の感染によって起こる病気で、空気感染をするのが特徴です。主症状は発熱と咳ですが、咳と一緒に血が出たり、血の混じった痰が出たりすることもあります。昔は死に至る病気として知られていましたが、現在は抗生物質で治療ができます。

上記以外に、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)も咳の原因として考えられます。一般に花粉症は、目や鼻の症状だけだと思われがちですが、のどのイガイガ感も忘れてはなりません。幼児から高齢者まで発症する病気ですので、適切な治療が必要です。

何科を受診すればいいの?

まずは、子どもなら小児科、大人なら内科で診てもらってください。それでも咳が治らない場合は、他の病気の可能性もあるので専門機関を受診しましょう。気管支や肺に関わる病気は内科や呼吸器科、鼻やのどに原因がある場合は耳鼻咽喉科の専門となりますが、総合病院に行けば1日で複数の科を受診できることも多いです。

病気全般にも言えることですが、鼻やのどの症状は、かかっている期間が長ければ長いほど治療にも時間を要します。「この咳は何かおかしいな」と感じたら、早めに専門機関に相談し、原因を究明して治療に専念しましょう。

※画像と本文は関係ありません

記事監修: 松根彰志(まつね・しょうじ)


医学博士
1984年 鹿児島大学医学部医学科卒業
1988年 鹿児島大学大学院医学研究科修了
1988年~1990年 ピッツバーグ大学(アメリカ合衆国ペンシルバニア州)留学


NPO 花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会 副理事長、事務局長
同団体は、花粉症・アレルギー性鼻炎や蓄膿症・副鼻腔炎に正しく対処するための情報発信・活動を推進しています。


日本医科大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授
日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科部長、病院研究委員会委員長
日本耳鼻咽喉科学会、日本アレルギー学会、日本鼻科学会、日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会 各学会の代議員
神奈川気道炎症病態研究会 代表幹事 など

<お知らせ>
日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科では、6月よりスギ花粉の舌下免役治療(新規分)を再開しました。
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