グルマンも納得の人気居酒屋がひしめく激戦区、東京・八丁堀。この地には、ランチ限定でかなりボリュームのソーツカツ丼が食べられる店があるという。カツ丼、とりわけサクサクのソースカツ丼が大好きな記者としては、これはもういかずにはいられない。

イメージは……天丼!?

八丁堀駅から徒歩5分ほどの距離にある和食料理屋「ごちそう屋ぽん太」。もともと水天宮にあった同店が、約2年前に2号店として出したのがこちらの「八丁堀店」である。八丁堀に来たことがなくても外に出ている提灯に大きく「ぽん太」と書かれているため、一目でわかるぞ。

和食料理屋「ごちそう屋ぽん太 八丁堀店」。席数はカウンター席5席、個室テーブル席70席

早速、店長の笹田享さんにソースカツ丼のボリュームについて聞いてみた。「大」ってどれくらい量なのだろうか。「大は白米が550gでカツが7枚のっています。なかなかの量ですので、頼まれる方には最初に『相当なボリュームがありますが大丈夫ですか』と聞いているようにしているぐらい(笑)。普通に食べたいのであれば『中』か『小』で十分足りると思いますよ。『大』は、近くの会社の方が若い社員を連れてきて振舞うことが多いですね」。

こちらが「ソースカツ丼」の「大」。白米550g、カツが7枚と大ボリューム。味噌汁やサラダ、きんぴらごぼう、漬物などの小鉢が3品ついてお値段1,100円とリーズナブル

脂身の少ない豚ロースを使っているので、いくらでも食べられる!

「すごすぎる……」。総重量は約1kg。目の前に出てきたソースカツ丼の「大」(1,100円)を見て一言。まず、カツを一枚剥がしてパクリ。脂身の少ない柔らかな豚ロースを包んだ衣には、辛めのソースが染み込んでいる。これは……旨い! 脂身たっぷりの豚カツも美味ではあるが、こちらはくどさがない分いくらでも食べられる。しかもソースがカツ全体に満遍なくかかっていて……笹田さん、やりますね!

カツ一枚の大きさは握りこぶし1つ分。紅ショウガと一緒に食べてもGOOD

「カツは揚げてからすぐソースに漬けています。しかも白米にもあらかじめ別のタレをかけているんですよ。カツのソースだけだとボリュームがあるので後々飽きてしまいます。なので、下のご飯に別のタレをかけ、最後まで飽きずに食べられる工夫をしています。どちらかというと、天丼のようなイメージですね。ちなみにソースもタレも詳細は企業秘密ですが、他にはないオリジナルのものを合わせて使っていますよ」。

確かにカツにかかった辛めのソースとご飯にかかった甘めのタレが絶妙に混ざり合って、掻き込む手が止まらない。カツもサクサク感が残っている部分があって、うん、これは100点満点だ。煮込みカツには真似できないこのサクサク感こそ、ソースカツ丼最大の魅力。やはりランチメニューではソースカツ丼が一番人気なのだろうか。

「もちろんソースカツ丼も人気ですが、通常は日替わり定食が1番人気ですね。日替わりは定番のランチメニューを中心にご用意しています。他にはステーキ丼も人気があって、これはリピート率NO.1なんです。こちらは肉を130gぐらい使っているので結構ボリュームがありますよ」。

日替わり定食に、リピート率NO.1のステーキ丼……。ソースカツでこんなに完成度が高いなら他のメニューもさぞ美味しいに違いない。これは俄然、全メニューコンプリートしたくなってきた。

価値ある食材を全国各地から

「我々の理念は、本当に良いものをお客様に提供することです。この店だったら肉、魚、お酒、何を食べても飲んでも美味しいと思ってもらいたい。肉にしても魚にしても、産地を指定せずに全国各地から本当に良いものを仕入れるようにしています。特に魚の仕入れでは、その魚の下処理(〆方法、神経抜き等)についても確認しています。加えて、獲れた魚は朝一番の航空便で送ってもらい、夕方にはお店に届くので鮮度はピカイチですよ。新鮮なものはやはりおいしいですから」。

なるほど、あくまで良いものにこだわることが激戦区を戦い抜く秘訣というわけですね。"ぽん太ブランド"の高さには脱帽です。

「会社全体としては現在全部で6店舗あり、和食形態だけでなく、イタリアン、バーも展開していますが、どの店でもやはり材料にはこだわるようにしています。今後はどの地域に出店するにしても、我々が持っている食に対する考え方をその土地に合わせてお出しできるように努めていきたいですね」。

最近は居酒屋ランチが流行ってきていることもあり、ランチの店探しは選択肢がありすぎて逆に迷うという状況。しかし、もし八丁堀に訪れたなら、ごちそう屋ポン太にぜひお立ち寄りを! 今までに数多くのソースカツ丼を食べてきた記者だが、あらゆる面においてこのソースカツ丼は高水準。この逸品、ぜひ一度味わってみることをお勧めする。

(文・A4studio日下部貴士)