PC性能が向上し、Webブラウジングや事務用途においてはあまり処理能力を気にする必要はなくなった。しかし当然だが、PCの処理能力が高いに越したことはない。マルチメディア編集を行っているユーザーや、高解像度で最新のゲームを楽しみたいユーザーの中には「お金に糸目を付けずに可能な限り良いPCを購入したい」、そんな要望を持つユーザーもいるだろう。そんなユーザーに勧めたいのが、マウスコンピューターの「MDV ADVANCE」シリーズだ。

MDV ADVANCEは、インテルのハイエンドプラットフォーム「X99 Express」を採用したヘビーユーザー向けシリーズ。マウスコンピューターのデスクトップPCラインナップにおいて最高峰に位置し、メインストリームであるZ97 Expressでは決して利用できない6コア/8コアCPUや、実現の難しいマルチグラフィックス環境を構築できるほか、PCI-Express接続を利用した高速ストレージも積極的に利用可能。今回はその「MDV ADVANCE」シリーズ中、最高性能を誇る「MDV-GX9541X2-M32-SH」を紹介しよう。ちなみに価格は7月上旬現在、469,800円(税別)。つまり50万円超となる。

MDV ADVANCEのフラグシップモデル「MDV-GX9541X2-M32-SH」

8コア/16スレッドに対応したインテルのフラグシップCPUを搭載

「MDV-GX9541X2-M32-SH」において採用されているチップセットは、前述したとおりX99 Express。CPUソケットはLGA2011-3となり、メインストリームであるZ97 Expressで使用されているLGA1150との互換性はない。メインストリームとの違いは多々あるが、最もわかりやすい差がCPUのコア数だろう。LGA1150ではフラグシップモデルCore i7-4790Kでもコア数は4コア/8スレッドまでとなるが、LGA2011-3では6コア/12スレッドや8コア/16スレッドモデルも用意されているのだ。本機に搭載されているのは、インテルのフラグシップCPUを表す「エクストリーム・エディション」という名称が与えられた、8コア/16スレッドの「Core i7-5960X」だ。メモリには新たにDDR4が採用されており、さらにクアッドチャネル動作が可能。マルチスレッド処理に最適化されたアプリケーションを利用すれば、LGA1150とは一線を画した処理能力を実現できるだろう。

CPU-Zで見たインテル「Core i7-5960X」

タスクマネージャーでは、圧巻の16スレッド動作が確認できる

メモリはDDR4となり、8GBメモリ×4、32GBを標準で搭載する

Maxwellを採用したハイエンドGPU「GeForce GTX 980」

グラフィックスカードにも妥協はない。昨年登場するやいなや、グラフィックスカードの新定番に躍り出たNVIDIAのGeForce GTX 980を標準で搭載。Maxwellアーキテクチャを採用しており、消費電力あたりのパフォーマンスでこれまでのGPUを圧倒。ハイエンドクラスにおいても圧倒的な存在感を誇っている。なお「MDV ADVANCE」シリーズには、さらにワンランク上のモデルとなるGeForce GTX 980 Tiを搭載したモデルもあるので、CPUよりも3Dグラフィックス処理能力を重視するならそちらを選ぶのも手だ。

リファレンスと同じ外排気タイプのクーラーが搭載されたNVIDIA GeForce GTX 980

GPU-ZでみたNVIDIA GeForce GTX 980

NVMe SSD「SSD 750」による他を圧倒するアクセス速度

そしてメインストレージには、インテルのNVM Express(NVMe) SSD「SSD 750」の1.2TBを搭載。この次世代ストレージはPCI-Express3.0 x4にてマザーボードと接続されるため、最大32Gbpsもの帯域を扱うことができる。つまり、SATA3.0の6Gbpsと比べ理論上5倍以上の余裕があるわけだ。最先端のSSDはすでにSATA3.0では速度が頭打ちになっているが、NVMe SSD「SSD 750」ならばその限界を軽く超える高速なアクセスが可能となる。もちろんその分、ストレージでもPCI-Expressのレーンを使用してしまうことになるのだが、X99 ExpressとCore i7-5960Xの組み合わせならば40レーンを扱えるため問題ない。

PCI-Express3.0 x4で接続されるインテルのNVM Express(NVMe) SSD「SSD 750」

SSDのほかに、別途Seagate製の2.0TB HDDも搭載されている