【インタビュー】

ビッグデータで予測ができる。これは劇的な進化だ - 岡田元日本代表監督

 

SAPジャパンは7月1日~2日、同社のプライベートイベント「SAP SELECT」を東京のホテルで開催。2日目にはスペシャルセッションとして、元サッカー日本代表監督で、現在FC今治オーナーの岡田武史氏と、SAPジャパン バイスプレジデント チーフイノベーション オフィサー 馬場渉が、スポーツと変革をテーマとする対談を行った。

元サッカー日本代表監督で、現在FC今治オーナーの岡田武史氏(右)と、SAPジャパン バイスプレジデント チーフイノベーション オフィサー 馬場渉(左)

SAPは、セーリング、ゴルフ、F1、クリケット、アメリカンフットボール、野球、テニス、バスケットボール、サッカーの分野で、多数の著名スポーツ団体と協業しており、特にサッカーでは、ドイツサッカー連盟と協業しており、FC今治のビジネスパートナーをつとめている。岡田氏もドイツのSAP本社を訪れ、サッカーにおけるデータ活用の説明を受けたことがあるという。

岡田武史氏。大阪府出身。早稲田大学サッカー部を経て、古河電気工業入社。選手として日本代表に選出。引退後は古河電気工業コーチなどを経て、1997年に日本代表監督に就任。その後、コンサドーレ札幌、横浜F・マリノスの監督を経て、2007年に2度目の日本代表監督に就任。2010年の南アフリカのW杯ではベスト16に導く。そして、中国のクラブチームの監督を経て、2014年11月、四国リーグ FC今治のオーナーに就任。

岡田氏はサッカーにおけるデータ活用について、「今後、ITを使っていろいろなものが変わってくると思う。これまではPDCAをサイクルを回して、試合でできなかったことをできるようにしてきたが、これはコーチの感覚で行っていた。これをビッグデータを使って、誰がコーチをしても同じ指導ができるように岡田メソッドを定めている。これは、試合を区切って、できた項目とできなかった項目をチェックし、それに対応したトレーニングメニューを6段階のレベルで定めている。そして、こうして行ったトレーニングをビッグデータとして貯めていくと、この選手はこういったケースでは怪我をする、何試合を消化して、ある状態になると走行距離が落ちるなど、次の予測ができるようになる。これは劇的な進化だ」と、その効果の大きさを強調した。

岡田氏がオーナーである今治FCは、四国の地域リーグに属する。日本のサッカー界では、頂点にJ1、J2、J3のJリーグ、その下にアマチュアの頂点である日本フットボールリーグ(JFL)があり、地域リーグはその下に位置づけられる。いわば5部リーグだ。日本代表監督やJリーグで複数クラブの監督を務めた岡田氏が、なぜ5部リーグのオーナーになったのか?

その理由を岡田氏は、次のように説明した。

「日本はブラジルのワールドカップ予選で負け、みんなが『これじゃだめだ、新しい形が必要だ』と言った。ただ、私はザッケローニの方向は間違ってはいないと思う。ちょっとボタンの掛け違いをしただけだ。そのため、みんなが急に方向を変えろと言うことに、驚きと恐ろしさを感じた。そんなとき、有名なスペイン人のコーチと話をしたとき、『スペインにはサッカーの型があるが、日本にはないのか』と言われた。これまで選手を型にはめず、自由にやらせるのがいいと思っていたが、自由奔放にやっているように見えるスペインにも型があると知って驚いた。スペインでは、型ともいえるプレイモデルを16歳までに叩き込み、 あとは自由にやれという。日本は子供ときは自由で、高校から型を教える。まったく逆だ。自由な環境からは自由な発想は生まれない。何か縛りがあるとき、そこから解き放たれたいという思いから自由な発想が生まれる。そこで日本人に合う型(プレイモデル)をつくり、トップから育成選手まで、同じフィロソフィーでやるチームを作りたいと思った。ただ、すでにできあがったJリーグでは一度しくみをつぶさないといけない、そこで、縁があって、FC今治のオーナーをすることになった」(岡田氏)

岡田氏は、慣れないオーナー職について、「自分で経営したらこんなに大変なのかと思った。こんなに頭を下げているのは初めてだ。これまでは、いいサッカーをして、勝てばいいと思っていたが お客様あってのサッカーだと悟った」と、慣れない資金集めに苦労している現状を吐露。

ただ、「8年後にスタジアムを作り、10年でJ1で優勝できるチームをつくりたい。うちから5人の代表がでたら日本代表のサッカーが変わる」と夢を語った。

また、「今治は、デパートがなくなって空き地ができたりして、みんな諦めているが まだまだポテンシャルのある町だ。 FC今治が頂点に立ったら、各地から指導を受けたい人が来るようになる。そうすれば、活気のある町になる。お金以外のものが世の中をうがすような、目に見えない資本で町作りができないとか思っている」と、単にサッカー界だけでなく、サッカーを通じた町興しにも貢献したいという思いを語った。

対談中に馬場氏は、SAP HANAで動作するスポーツ専用クラウドソリューション「SAP Sports One」を紹介。SAP Sports Oneは、チーム管理、トレーニング計画、選手の健康管理、パフォーマンス分析の各コンポーネントから構成され、選手のけが、薬物治療、およびパフォーマンス診断を詳細に追跡して、選手ごとに総合的な健康歴を把握することも目的とする。

SAP Sports One」の画面

馬場氏は、こういったスポーツ向けソリューションについて、「野球界では、投手を100球を目途に交代させるが、同じ100球でも、思いっきり投げた球もあれば、負荷がかかり、ひじが下がって投げる球もある。今の技術を使えば、ひじの角度や、球をどの高さから投げたのか、球の回転数などが全部データが取れ、それを学習ソフトに入れて分析できる。今後、日本ではオリンピックが行われるので、Sports Oneはいろんな面で貢献できると思う」と語った。



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