説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneにつける名前なんて、適当でいいですよね?」という質問に答えます。

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いえ、とんでもありません。iPhoneに付ける名前は、自分だけが見るものではありませんよ。いかにも適当な名前、見るほうが赤面してしまいそうな名前、キラキラネーム、思いつきの受け狙いで命名するとあとで後悔することになるでしょう。それでもかまわなければ、ご自由にどうぞ。

きちんと命名したほうがいい理由ですが、それはiPhoneのインターネット共有機能(テザリング)を有効にしていると、他のパソコン/スマートフォンの「Wi-Fiアクセスポイントの一覧に表示されてしまう」からです。iPhoneにつけた名前は、そのままWi-Fiの識別名(SSID、Service Set Identifier)として利用されます。

そしてiOSには、市販のルータやWi-Fiアクセスポイントとは異なり、SSIDを隠ぺいする機能(ステルスSSID)がありません。だから、SSIDとして表示されたくない文字列はiPhoneの名前として付けることを避けるべきなのです。

たとえば、この世のものとも思えない恥ずかしい名前……そうですね、「俺のiPhoneだぜ世露死苦」という名前を設定しているとします。そしてパソコンから自分のiPhoneに接続(テザリング利用)したとしましょう。テザリングが始まり通信が安定すると、SSIDのことなど頭から消えてしまうものですが、実はその間ずっとSSIDは周囲に発信されているのです。利用場所が喫茶店やレストランであれば、この「俺のiPhoneだぜ世露死苦」というSSIDの持ち主の顔を見てみたい、と周囲を見渡す人もいるに違いありません。

ほかにも、住所や電話番号など個人を特定できる文字列、所属する会社や学校名は、名前に含めないほうが無難です。個性的な名前を付けたくなる気持ちもわからなくはありませんが、他のWi-Fiアクセスポイントと区別できる文字列であれば足りるのではないでしょうか。

iPhoneにつけた名前は、Wi-FiのSSIDとして利用されるため、テザリング時には周囲に"丸見え"となります