クラウドファンディングが浸透しつつある。アイディアに賛同する人からの支援を直接受けられるというメリットから、日々さまざまなアイディアが登場している。代表的なのがKickstarterから誕生したスマートウォッチPebbleだが、このような成功は簡単ではない。

どのクラウドファンディングプラットフォームを選ぶか、どのように自分のアイディアを記述するかなどポイントはさまざまだ。Incの記事「クラウドファンディング入門ガイド(原題:The Essential Guide to Crowdfunding)」が代表的なクラウドファンディングプラットフォームの特徴を紹介している。

様々な広がりを持つクラウドファンディング

クラウドファンディングが先行して広がりを見せる北米では、2014年の市場規模が94億6000万ドルに達しており、これは前年比145%増にもなる。だが、各クラウドファンディングサービスの特徴は様々で、チェックしているユーザーも異なる。メリット、デメリットを理解して利用する必要がある。早速、代表的なものを見てみよう。

報酬型

クラウドファンディングの中で最も一般的といえるタイプがこれで、製品など、あるアイデアに対して購入したい人を募ることができる。

このタイプは市場テストに向いており、新しいガジェットなどの開発にあたって、得られた資金で生産することでリスクを削減できる。このタイプは2014年、前年比80.5%で拡大し12億ドル規模に達している。

Kickstarter

Pebbleのようなハイテク系ガジェットや映画、ゲームなどが多く、2014年は4億4400万ドルが集まった。成功報酬型なので、満たない場合は出資者に返すことになる。費用として、カード処理手数料を含む8~10%を払う必要がある。

Indiegogo

銀行家のDanae Ringelmann氏らが立ち上げた。2014年は2億2300万ドル以上を調達したサービスで、クリエイティブとリャリティの要素を持つプロジェクトが多いという。

ハイテクや映画などの分野で著名な企業が利用することもある。Kickstarterと似ているが、チャリティープロジェクトも利用できる点が異なるようだ。費用として7~14%が徴収されるが、7月15日よりKickstarterと同レベルの8~10%に下がるとのこと。

寄付型

NPOのような非営利の活動、あるいは医療費用を調達したいというタイプは、個人からの寄付を募る「寄付型」となる。記事によると、この分野は2014年、前年比81%増の9億5900万ドルが集まったという。

Crowdrise

俳優のEdward Norton氏やプロデューサーのShauna Robertson氏らがスタートしたチャリティー中心のクラウドファンディングサービス。Lady Gaga、Seth Rogenといったセレブが利用していることでも知られており、2014年、合計で1億8000万ドルを集めた。個人の場合には、寄付金が3%、チャリティーは8%の手数料を徴収される。

GoFundMe

ネパール地震などの災害の後の復旧支援といったチャリティー的なインパクトがあるプロジェクトから医療費、結婚費用、学費などさまざまなカテゴリがあり、幅広いオーディエンスを擁する。

2014年は4億7000万ドルを集めたという。これまで集まった資金の累計は11億ドルで、個人向けのファンドレイジングとしてはナンバー1をうたっている。費用は寄付の8%、この中にはクレジットカード処理費用3%が含まれる。

エクイティ(投資)型

株式市場を真似たエクイティプラットフォームだ。つまり出資によりリターンを得る「投資」の要素があるもの。2014年は前年比301%増とほかのタイプに比べて高い成長率を誇っており、7億8750万ドルが集まっている。

CircleUp

コンシューマー向けビジネスに特化したプラットフォームで、すでにコンシューマー製品がある、新しいプロジェクトのファンディングに適している。

厳しいスクリーニングプロセスがあり、応募したプロジェクトのうちわずか3%しか認められないという。2014年は4000万ドルを調達、手数料はおおむね5%を支払うことになる。

AngelList

エンジェル投資家の「エンジェル」を名前に持つエクイティプラットフォームで、シード段階にあるハイテク企業に適しているという。

2014年の実績は1億400万ドル。企業は無料で利用でき、投資家が利益の20%を支払うという仕組みだ。