ハイエンドモデルながらコンパクトなカード長

では実際に「Radeon R9 Fury X」を見ていこう。カード長は確かに短く、小型ケースへの採用も期待できるのだが、液冷クーラーのラジエータが大きめだ。また、カードとラジエータを接続するホースもあるので、システム全体としてはそれなりのサイズとなってしまう。

Radeon R9 290Xとの比較。比べるとRadeon R9 Fury Xが非常にコンパクトなことが分かる

一方でラジエータはなかなかの大きさだ

カード側面にdipスイッチがあるが、Radeon R9 290Xでは、2種類のBIOSを搭載しており、それぞれに静粛性に配慮した「Quiet Mode」とフルパフォーマンスを発揮する「Uber Mode」という2種類の動作モードを割り当てていた。「Radeon R9 Fury X」ではそうしたモードはないようで、単純に2つBIOSを搭載しているということだろう。実際にスイッチを切り替えてテストを行ったが、結果はほぼ変わらなかった。

カード側面のDIPスイッチ

補助電源は8pin×2。TDPは275Wだが、オーバークロックを視野に375Wまで供給できるという。本体の側面にあるRadeonロゴに加えて、補助電源コネクタ付近にある「GPU Tach」は動作時に点灯させることができる。「GPU Tach」はGPUの動作状況に合わせて光るほか、カード背面にあるdipスイッチにより点灯する色を変更することができるという。

補助電源コネクタ

「GPU Tach」とLEDの色を変えるスイッチ

映像出力インタフェースは、HDMI 1.2×1、DisplayPort 1.4×3。2014年6月24日に開催された発売記念イベントでは、3画面によるFreeSYNCや5Kディプレイへの出力などもデモされていた。

それではテスト環境を紹介しよう。表1がテスト環境をまとめたものである。今回は速報プレビューかつ、後日詳細のレビューも行うので、比較対象はNVIDIA GeForce GTX 980 Tiのみとした。

■今回のテスト環境
GPU Radeon R9 Fury X GeForce GTX 980 Ti
グラフィックスカード リファレンス
GPUドライバ Catalyst 15.15 GeForce 353.30 Driver
CPU Intel Core i7-4770K
M/B ASUS Z97-DELUXE(Intel Z97 Express)
RAM Kingston KHX14400D3K2 4GB×2枚
Storage Samsung SSD 840 250GB
Power ANTEC TruePower Quattro 1000W 80 PLUS
OS Windows 8 Pro 64bit(Build 9200)