【レポート】

春ドラマを総括! キムタクvs堺雅人はドロー? 連ドラをめぐる不穏な動きとは - ベスト作品&俳優発表

1 木村拓哉の再評価と今後の課題

 
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7月12日までの変則放送を採用した『天皇の料理番』を除く春ドラマが終了。平均視聴率15%超えの大ヒットこそなかったものの、各局が果敢にチャレンジした作品が多かった。

池井戸潤の原作を大胆にアレンジした『ようこそ、わが家へ』、書店員にスポットを当てた『戦う! 書店ガール』、中園ミホと堺雅人のタッグ『Dr.倫太郎』、木村拓哉のテレ朝連ドラ第1弾『アイムホーム』、医療と恋愛の2本柱で勝負した『医師たちの恋愛事情』、深夜に一見似合わない純愛ドラマを仕掛けた『恋愛時代』、野島伸司が意欲を見せたリメイク『アルジャーノンに花束を』、ひさびさの全12回放送となる『天皇の料理番』など、試行錯誤の跡がうかがえる。

ここでは、「木村拓哉&堺雅人の2トップは健在」「フツーの人が連ドラのど真ん中へ」「恋愛をめぐる制作陣と視聴者の思惑」「ドラマ枠の異変」という4つのポイントから検証し、全21作を振り返っていく。今回も「視聴率や俳優の人気は一切無視」のドラマ解説者・木村隆志がガチ採点する。

左から『天皇の料理番』の佐藤健、『Dr.倫太郎』の堺雅人、『アイムホーム』の上戸彩

■ポイント1 木村拓哉&堺雅人の2トップは健在

今クールは、放送前から「木村拓哉と堺雅人の新旧視聴率男がそろい踏み」が話題になり、視聴率や内容が比較されていた。ともに視聴率は全話で2ケタを超え、木村の『アイムホーム』は平均14.8%、堺の『Dr.倫太郎』は12.7%を記録。内容もともに静かな展開でじっくり見せるスタイルを採り、視聴者・識者ともに高評価だった。

木村はテレビ朝日の連ドラ初主演だったこともあり、これまでのヒーロー然とした姿を封印し、悩み苦しむ新たな姿を披露。ただ、最終回に突然全ての問題を解決するヒーローに逆戻りしてしまったのはなぜか。今後はより等身大の役を演じるのか、それともヒーローに戻るのか。

一方の堺も得意の長ゼリフを封印し、穏やかに話を聴くキャラを貫いた。それだけに主人公としての見せ場は少なく、精神科医としての恋愛もあえて抑揚を抑えたまま終了。ただ、もともと堺は“過剰さのない演技”を信条としているため、これも本来の姿なのかもしれない。

■ポイント2 フツーの人が連ドラのど真ん中へ

長年ドラマ界では、特別なスキルを持った主人公を据える形が多かったが、徐々にフツーの人が主人公の作品が増えてきた。とりわけ今クールはかつてないほどその傾向が強く、ここ数年間多かった変人キャラは『ドS刑事』くらいだった。

フツーの主人公をざっと挙げてみると、『ようこそ、わが家へ』『LOVE理論』『戦う! 書店ガール』『マザー・ゲーム』『心がポキッとね』『アイムホーム』『恋愛時代』『She』『妄想彼女』『不便な便利屋』『ワイルド・ヒーローズ』と半数を超える。

男も女もフツーの人だらけなのだが、制作サイドの狙いは「共感や応援を集めたいから」であり、「『ドクターX』大門未知子のような強烈な役にハマる主演俳優が少ないから」。しかし、フツーの主人公はドラマ性を加えるのが難しく、脚本家の腕に左右されるところが大きい。上に挙げた作品の中に、「毎週ローテンションの話が続き、一度も引き込まれないまま終わってしまった」というものはないだろうか。

■ポイント3 恋愛をめぐる制作陣と視聴者の思惑

程度はそれぞれだが、今クールはメインテーマに恋愛要素を絡めた作品が多かった。主人公の相棒キャストは、必ずと言っていいほど異性。困難を解決することで絆を深め、恋愛感情が芽生え、終盤にその恋が成就するか、しないか……という展開が見られた。

しかし、サスペンス&ミステリーに恋愛の『ようこそわが家へ』、ママの奮闘に恋愛の『マザー・ゲーム』、精神科医の物語に恋愛の『Dr.倫太郎』、知的障がい者の物語に恋愛の『アルジャーノンに花束を』、これらは全て恋愛が成就しなかった。

一方、恋愛がメインテーマだった『LOVE理論』『心がポキッとね』『医師たちの恋愛事情』『恋愛時代』『妄想彼女』は、いずれもハッピーエンド。つまり、恋愛がメインテーマのドラマは「幸せな姿を見たい」、恋愛がサブテーマのドラマは「メインテーマに加え、恋愛も成就は幸せすぎるから、うまくいかないくらいがちょうどいい」というのが、現代視聴者のニーズなのかもしれない。

■ポイント4 ドラマ枠の異変

前クールでTBSの月曜20時枠、フジの火曜21時枠が終了。代わって今クールからフジの土曜23時40分枠、日テレの日曜22時30分枠が新設され、NHKの土曜21時枠が22時枠に移動と、いつになく放送枠をめぐる動きが大きかった。

さらに先日、TBSの木曜21時枠が9月いっぱいでの終了を発表。ますます20~21時代が減り、22時以降の時間帯が増えるなど、ドラマは22~25時の深い時間帯に集められつつある。このままでは数年後、アニメと同じ道をたどるようにドラマは深夜だけのものになってしまうかもしれない。

また、新設されたフジの23時40分枠は、放送時間が25分間であることに加え、第1弾の『She』が5回、第2弾の『妄想彼女』が4回という短期放送。明らかに若い年齢層を意識した試みであることがわかる。

そして気になるのは、TBSの看板である21時枠が「4月26日スタート、7月12日ラスト」という異例のシフトを組んだこと。また、全9~10話放送が多い中、全12話放送に踏み切ったことも、さまざまな思惑が予測される。

ただ、海外ドラマのような1本90分、「月・水・金」などの隔日放送。かつてのような18~19時代の小中学生向けドラマ。枠を完全固定した生放送のシチュエーションコメディなど、より思い切ったトライも考えられるはず。ともあれ、各局ともにしばらくはさまざまなチャレンジを続け、トライ&エラーを重ねていくだろう。

以上を踏まえた上で、春ドラマの最優秀作品に挙げたいのは、深夜ドラマらしからぬ純度の高いラブストーリーで勝負した『恋愛時代』。このところの恋愛モノはトリッキーなものが多かったが、同作はもどかしく、せつなく、やさしい王道の恋愛ドラマだった。 『天皇の料理番』は鉄板スタッフをそろえ、高品質な人間ドラマを描いているが、視聴者には唐突な変則放送と名作のリメイクであることを踏まえ次点に。次はこのチームが本気で作るオリジナルドラマが見たい。

俳優では、主演以上に助演の魅力が爆発。『Dr.倫太郎』の高畑淳子、『64』の段田安則、『天皇の料理番』の鈴木亮平と黒木華、『アルジャーノンに花束を』の工藤阿須加など、いずれも役が憑依した熱演で楽しませてくれた。

一方、ウラ最優秀作品は『不便な便利屋』。深夜ドラマはターゲットや嗜好性を絞るのが当たり前だが、今作は制作サイドの「自由」と「やりたいこと」が前に出すぎていた感がある。また、『戦う! 書店ガール』は「看板に偽りあり」と言いたくなる展開。書店が舞台のお仕事モノでも、書店員の群像劇でもなく、テーマのブレを感じさせた。

【最優秀作品】『恋愛時代』 次点-『天皇の料理番』
【最優秀演出】『64』 次点-『Dr.倫太郎』
【最優秀脚本】『恋愛時代』 次点-『天皇の料理番』
【最優秀主演男優】堺雅人(『Dr.倫太郎』) 次点-佐藤健(『天皇の料理番』)
【最優秀主演女優】比嘉愛未(『恋愛時代』) 次点-なし
【最優秀助演男優】段田安則(『64』) 次点-鈴木亮平(『天皇の料理番』)
【最優秀助演女優】高畑淳子(『Dr.倫太郎』) 次点-黒木華(『天皇の料理番』)
【最優秀若手俳優】中条あやみ(『She』) 藤井流星(『ようこそ、わが家へ』)
【ウラ最優秀作品】『不便な便利屋』『戦う! 書店ガール』

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インデックス

目次
(1) 木村拓哉の再評価と今後の課題
(2) 「視聴率や俳優の人気は一切無視!」で全21本をガチ採点

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