【レポート】

Windows 8 & 8.1はダメOSなのか - 第2回

阿久津良和  [2015/06/24]

セカンドエディション? Windows 8.1(2013年) & 8.1 Update(2014年)

第1回 : Windows 8の悪いところ、良いところ
第2回 : Windows 8.1(2013年) & 8.1 Update(2014年)の改良点・新機能
第3回 : Windows 8.1 Updateのできばえを再考する

2013年10月にリリースしたWindows 8.1は、Windows 8ユーザーに無償提供され、多くのユーザーは新機能の恩恵を受けた(Windows XP / Vista / 7ユーザーには有償パッケージを提供)。前回はWindows 8の「ユーザー評価が低い点」と「評価すべき優れた点」をまとめたが、今回はWindows 8.1およびWindows 8.1 Updateで改良された点や新機能を振り返っていく。

この頃のMicrosoftは、より短い期間で新しいOSをリリースする「Rapid Release(ラピッドリリース)」というビジョンを提唱しており、当時の日本マイクロソフトは「その時代に即した機能を提供することで、デバイスとOS(ソフトウェア)の格差を縮める」と述べていた。

Windows 8に現れるWindows 8.1へのアップデートメッセージ

Windows 8.1のデスクトップ画面。Internet Explorer 11も搭載した

例えば、InstantGOのサポートはその代表的といえるだろう。Windows 8時代はConnected Standbyという呼称を用いていたこの機能は、PCのスタンバイ時にも通信を断続的に行うことで、メール受信やカレンダーのバックグラウンド同期などを実現する機能だ。当初はMicrosoftの説明不足や実装の難しさから周知にいたらなかったが、現行のWindowsタブレットは多くがInstantGOをサポートしている。

管理者権限のコマンドプロンプトで「POWERCFG /BATTERYREPORT」を実行すると電源関連のレポートが作成され、InstantGO対応/非対応が分かる。レポートでは旧名称の「CONNECTED STANDBY」という項目になっている。詳細は「POWERCFG /? BATTERYREPORT」を実行して確認していただきたい

Bing検索の強化もWindows 8.1のポイントだった。当時のBing検索は「スマート検索」「ビジュアル検索」という2つのコンセプトをもとに、大幅な改良を加えている。前者は先ごろローンチした「Bing不動産」でも分かるBingのプラットフォーム化だ。また、ユーザーの検索体験を改善するためにキーストロークを読み取ることで、適切な検索結果が現れるようになった。同時に検索チャームの融合も行っている。

後者は「ヒーローアンサー」と呼ばれるフルスクリーンUIだ。著名人や有名な都市を対象にさまざまな情報を提供する専用UIを用意し、テーマカラーも画像などの配色を取得して自動的に変化するユニークな機能である。

ヒーローアンサーで「マイケル・ジャクソン」を検索すると、ローカルファイルに加えて楽曲や動画などが現れる

Internet Explorer 9から始めたWeb標準への準拠を、さらに進めた「Internet Explorer 11」を搭載したのもWindows 8.1からだ。さらなる性能強化やHTML5への対応と、標準的なWebブラウザーとしてサードパーティー製Webブラウザーと肩を並べるようになったのは記憶に新しい。このほかにも、モダンフォントして遊明朝/遊ゴシックを採用し、クライアントHyper-Vのクリップボードサポートなど、かゆいところに手が届くような改良が加わった。

キーボード&マウスのユーザーエクスペリエンスを向上したWindows 8.1 Update

しかし残念ながら、Windows 8の「スタート画面ショック」は、Windows 8.1でもシェア拡大にブレーキをかけた状態のままである。Microsoftはラピッドリリースビジョンに沿って、2014年4月、Windows 8.1 Updateをリリースした。

スタート画面には新たに電源ボタンと検索ボタンを追加し、コンテキストメニューの追加などUI面にさらなる改良を加えたが、ここでは「WIMBoot」(Windows Image File Boot)の実装に注目してみたい。下図はTechNetライブラリの説明図をキャプチャーしたものだが、パーティションレイアウトを整理することで、ストレージの空き容量が増えていることが分かる。

TechNetライブラリによるWIMBootの説明図

具体的にはWindows RE回復ツール(winre.wim)などをイメージパーティションに移動させ、Windowsパーティションにはイメージに対するポインターファイルを用意することで、空き容量の拡大を実現している。既にWindows 8.1 Updateをプリインストールした一部のストレージ容量が少ないタブレットはWIMBootを利用しているようだ。

各所に改良を施したWindows 8.1 Updateは、機能面も表面的な使い勝手も、Windows 8からは確実に良くなってる。ここをポジティブに評価するか、それとも「まだダメ」と評価するかは、ユーザーによって異なるところだろう。そうこうしているうち、2014年10月に次期Windows 10が発表され、Windows 8.xの求心力は低下した。次回はまとめとともに、Windows 8.xの使い勝手を昔に近づける方法などを紹介する。

Windows 8の不評点とWindows 8.1(Update)での改善

Windows 8.1でユーザーの評価が低い点 Windows 8.1(Update)での改善
スタート画面が使いにくい ・タイルサイズの拡充と操作性の向上
・複数のアプリをアンインストール可能に
・アプリビューの追加など
スタートボタンがない
スタートメニューがない
・スタートボタンを復活
・クイックアクセスメニュー(Win+Xキー)を拡充
ただし旧スタートメニューのランチャー機能は復活なし
起動時にデスクトップ画面へ行けない
(必ずスタート画面になる)
サインイン後にデスクトップを表示する設定を追加
WindowsクラシックのGUIがない ×(XPDMに廃止に伴う結果なので仕方ない)
シャットダウンの方法が分かりにくい クイックアクセスメニュー(Win+Xキー)に
「シャットダウンまたはサインアウト」を追加
Windowsストアアプリの数が少ない 少しずつ改善中
ロック画面が意味をなさない ・Skypeやカメラアプリの呼び出しを可能にした
・スライドショーのサポートも8.1以降
検索チャームが使いにくい ファイルや設定などをまとめて検索できるようにした

スタート画面のアプリビュー

スタートボタンは復活したが、ランチャー機能を含むスタートメニューは復活なし。Windows+Xキーで表示するクイックアクセスメニューの項目が増えたことは、素直に使いやすくなった

【左】「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」に、起動時などにスタート画面ではなくデスクトップ画面を表示する設定が追加された。【右】Windows 8で不評だったシャットダウン方法は、クイックアクセスメニューへの項目追加によって、ほぼ昔のWindowsと同じになった

【左】ロック画面からSkypeやカメラアプリを起動できるようになった。【右】検索機能では、ファイルや設定などをまとめて探せるようになった

Windows 8.1(Update)の改良点や、追加された機能・設定

InstantGoの正式サポートや対応デバイスの増加
3DプリンターやNFC、指紋認証デバイスを標準サポート
BYODを促進するためのワークフォルダーやワークプレイスなどをサポート
WDDM 1.3 / DirectX 11.2をサポート
クライアントHyper-Vにおいて、コピー&ペーストなど機能強化した第2世代仮想マシンをサポート
フリック入力などをサポート
コントロールパネルでしかサポートしていない設定項目が「PC設定」から行える
游ゴシックおよび游明朝を追加
OneDriveがOSと統合し、シームレスな同期が可能(ただし特定のフォルダーを同期から外せない)

【左】Windows 8.1 Updateの電源管理。【右】3Dプリンターをサポート

【左】モバイルデバイスの活用に向け、機能やセキュリティを強化。【右】クライアントHyper-Vの仮想マシンが高機能になった

【左】日本語入力でフリック入力などをサポート。【右】「PC設定」の項目が充実

【左】新しい日本語フォント「游ゴシック」および「游明朝」を追加。【右】クラウドストレージのOneDriveを統合し、ローカルストレージ感覚で使えるようになるとともに、データ同期がスムーズになった

阿久津良和(Cactus)

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