――お姉さんの影響でしょうか。

少なからず影響はあるかもしれません。声で惹かれるキャラクターもいますからね。

――好きな声優さんは?

釘宮理恵さんの声があまりにも好きすぎて、ちょっと病気かなって思うくらい。『銀魂』の神楽が特に好きですね。頭に残るじゃないですか。落ち着かない感じがいいんですよ

――では、今期のアニメについてもお聞きします。注目の作品は?

注目しているのは『アルスラーン戦記』。前に見ていた『キングダム』が好きだったのですが、雰囲気が少し似ている気がします。ぜひ、花を咲かせていただきたいですね。それから、『血界戦線』も安定していると思います。意外と『パンチライン』も嫌いじゃないです。他にもいろいろあって、絞り切れないですね。

――かなりご覧になっていますね。

見ることのできるアニメは全部見ますね。クールが終わる頃になると、来期は何があるのか調べて、全部予約しています。

――それだけ多いと時間のやりくりも大変では?

リアルタイムでは見られない作品が多いので、撮り溜めして、まとめて見ることが多いですね。練習から帰って、たしか今日はあのアニメがあったよなとか思いながら、とりあえず録画の一覧を見ます。オフの日はまだ見てない回を見たり、溜めたまま見ていない作品もあるので、それを消化したりしています。それでも溜まってしまうんですよね。見なきゃ見なきゃとは思っているんですけど。アニメ、多いですよね。全部見ている人っているんでしょうか?

――いるかもしれませんが、サッカー選手にはいないのではないかと……。

そうなんでしょうか……。

――井林選手にとってアニメとはどんな存在なのでしょうか? サッカーの息抜き的なものですか?

息抜きというわけではなく、日常の一部ですね。見ていて面白いから見ているだけなんです。もう習慣になっているんですよ。

――習慣(笑)。今後、サッカーとアニメのコラボがますます盛り上がってくるのではないかと思いますが、井林選手としてやってみたいことなどはありますか?

自分としては……あまりないんですよね。表に出るのが恥ずかしいので……。

――例えばアニメから声優としてのオファーがくるかもしれませんよ。

それ、ちょっと考えたことあるんですけど、まずいと思うんですよ。だって、アニメファンからしたら、お前誰だよってなるじゃないですか。それが怖いんですよ……。

――声優以外が声優をやることについては批判も多いですもんね……。ただ、井林選手なら好意的に迎えられると思いますよ。では、サッカーとアニメ全体の関わりについて、今後の期待や展望などは?

今はまだアニメとコラボしているチームは少ないので、色々な地方の色々なチームがどんどんアニメと絡んで、限定グッズなんかが増えてきたら、ファンもうれしいんじゃないかなと思います。地域の発展という意味でも良い取り組みだと思いますし、色々な地方の、普段関わらないような方に来てもらえるので、地域振興にもつながる。サッカーとアニメがコラボすることで、アニメファンにはサッカーの、サッカーファンにはアニメの魅力が伝わることを期待しています。

――最後に井林選手の今後の目標を教えてください。

目標というのとはちょっと違うかもしれませんが、アニメを見ることをやめたくはないですね。アニメ文化は世界的に見ても日本が突出していますし、ずっと好きでいたいと思います。たまにアニメを敬遠する人がいますが、日本にいて何で? って思います。イメージが良くないのかな。そういう人たちにも自分がアニメの魅力を広めていきたいですね。

――サッカー選手としてはどうでしょうか。

自分がステップアップしていくことが大事だし、今年はキャプテンとしてやらせていただいている以上、チームを上に引っ張っていきたいと思いますね。


プロサッカー選手でありながら、忙しい毎日の合間を縫って、放送されているアニメのほとんどを見ているという井林選手。サッカーとアニメを結びつけ、盛り上げていくことができるとしたら、それができるのは井林選手をおいて他にはいないだろう。コトブキヤのフィギュアパートナー契約も今年で2年目。すでにゴールを挙げてフィギュア獲得が決定している井林選手のさらなる活躍に期待したい。

■プロフィール
井林章
1990年9月5日生まれ 広島県出身。2009年、関西学院大学在籍時に第87回関西学生サッカーリーグ優勝、新人賞も獲得。2013年に関西学院大学を卒業し、同年に東京ヴェルディへ入団。2014年シーズンの背番号は3。東京ヴェルディのオフィシャルサイトでは、「プライベート編」のホームタウンに、甘城ブリリアントパークを挙げている。座右の銘は「友情こそ最高の戦術」。