キャリア各社のポイントサービスの使い道が広がり、実店舗でも使えるようになっていることをご存じだろうか? NTTドコモが12月1日より「dポイント」をスタートすることで、3キャリアすべてのポイントサービスがコンビニエンスストアでも使えるようになる。これまで、キャリアのポイントの使い道といえば、端末の購入代金に充てるなど用途が限られていただけに、身近なコンビニでの利用が可能になったことで、利便性は一気に高まっている。

本稿では、主要コンビニであるセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートでの利用に着目して、キャリア各社のポイントサービスの使い勝手を比較してみたい。

各社のポイントサービスはどのコンビニで使える?

ドコモ、KDDI、ソフトバンク各社の新たなポイントサービスでは、携帯電話の利用によってポイントを貯められるほか、コンビニなどの実店舗の買い物でもポイントを貯められることが特徴となっている。各社からは実店舗で利用するためのポイントカードやプリペイドカードが発行され、買い物時にポイントカードを提示したり、プリペイドカードで決済することでポイントが付与される。また、貯まったポイントを実店舗の買い物に利用することも可能になる。

ただし、各社のポイントサービスでは、ポイントを貯めたり、利用できる対象店舗やポイント付与率などが異なる。そのため、主要コンビニに関しても、キャリアによっては特定のコンビニでしかポイントサービスを利用できない場合がある。

なお、マイナビニュースの別稿では、各社のポイントサービスの特徴やポイント付与・利用店舗数について詳しく比較しているので、こちらもご参照いただきたい。

主要コンビニにおける各社ポイントサービスの利用状況をまとめると次の通り。なお本稿では、プリペイドカード/ポイントカードに絞って紹介している。

主要コンビニにおけるキャリア各社のポイントサービスの利用状況。こちらの表はプリペイドカード/ポイントカードに絞った表となっている。KDDIでは、クレジットカードの「au WALLET クレジットカード」を発行しており、ドコモは「dカード」というクレジットカードを発行予定

各社ポイントサービスのもっとも大きな違いは、ドコモが発行する「dポイントカード」がローソンでしか利用できないことだ。一般的なポイントカードである同カードでは、dポイント加盟店でカードを提示することで買物額に応じてポイントが貯まる。また、ポイントを支払いに使うこともできる。主要コンビニではローソンのみがdポイント加盟店であるため、セブン-イレブンやファミリーマートではポイントを貯めたり、使うことはできない。

一方、KDDIの「au WALLET カード」、ソフトバンクの「ソフトバンクカード」は、ポイントカードではなく、現金やポイントをチャージして使えるプリペイドカードとなる。au WALLET カードはMasterCard加盟店、ソフトバンクカードはVisa加盟店で利用でき、プリペイドカードでの決済額に応じてポイントが貯まる。もちろん、主要コンビニはMasterCardやVisaの加盟店であるため、いずれのコンビニでも両社のプリペイドカードを利用でき、ポイントを貯めたり、チャージしたポイントで決済することが可能だ。

ポイント付与率、換算率が高いサービスは?

次に、各社サービスのポイント付与率について見ていこう。まず、ドコモのdポイントカードは、ローソンでの買物額100円ごとに1ポイントが付与され、ポイント付与率は1%となっている。また、KDDIのau WALLET カードの場合、決済額200円ごとに1ポイントが付与され、ポイント付与率は通常0.5%。なお、「ポイントアップ店」として提携しているセブン-イレブンでは、200円ごとに2ポイントが付与されるため、ポイント付与率は1%となる。

共通ポイントサービスの「Tポイント」を採用するソフトバンクカードでは、決済額200円ごとに1ポイントが付与され、ポイント付与率は0.5%となっている。また後述するように、Tポイント提携店のファミリーマートでは、別途Tカードを提示することでもポイント(1ポイント/200円)が付与され、この場合、ポイント付与率は計1%となる。

なお、ソフトバンクカードに自動で金額をチャージする「おまかせチャージ」(要審査)を利用した場合、決済額のポイント付与が2倍になり、通常の店舗ではポイント付与率が1%、Tポイント提携店では付与率が1.5%となる。

続いて、ポイント利用時の換算率についても確認しておこう。dポイントカードの場合、1ポイント=1円として、ローソンの支払いに利用することができる。また、au WALLET カードでは、ポイントをチャージして決済に用いることができ、換算率は1ポイント=1円となっている。

ソフトバンクカードの場合、Tポイント提携店のファミリーマートでは1ポイント=1円でポイントを支払いに利用することが可能。また、au WALLET カードのように、ポイントをチャージして決済に用いることも可能だが、この場合は1ポイント=0.85円となり、換算率が低下する。

ポイント付与率については、各社ともおおむね最大1%となり同等だと言える。一方、ポイント利用時の換算率については、ファミリーマート以外のコンビニで利用する場合、ソフトバンクカードのコストパフォーマンスが悪くなることに注意したほうがよいだろう。

お得な"ポイント2重取り"が可能なケースとは?

au WALLET カードやソフトバンクカードは、決済額に応じてポイントが貯まるプリペイドカードとなっているが、実は、各コンビニが採用するポイントカードと併用することも可能だ。

たとえば、ローソンでの買い物をau WALLET カードで決済し、同時にPontaカードを提示すれば、au WALLETとは別にPontaポイントも貯める"ポイントの2重取り"ができる。同様に、ファミリーマートでau WALLETカードとTカード(Tポイントカード)を併用する場合、ローソンでソフトバンクカードとPontaカードを併用する場合でも"ポイントの2重取り"が発生する。

また、ソフトバンクカードはTカードとしての機能も備えている。そのため、Tポイント提携店であるファミリーマートでは、ソフトバンクカードで決済し、同時に提示することで、ポイントを2重に貯められる。

この"ポイントの2重取り"では、TカードともPontaカードとも併用できるau WALLETカードが優位と言える。ローソンでは、au WALLETとPontaポイントを合わせたポイントの実質付与率は1.5%となり、dポイントカードの付与率1%を上回る。また、ファミリーマートでは、au WALLETとTポイントを合わせたポイントの実質付与率は1%となり、ソフトバンクカードと同等となる。TカードやPontaカードをすでに活用している人にとっても、au WALLET カードはポイントで得をする手段をさらに広げるカードとなりそうだ。