アンテナの向きを調整して接続性と通信速度を高める

また、仕事部屋から見て隣室の真下にあるリビングで通信を行いつつ、WXR-2533DHPのアンテナを調整した結果、701.7Mbpsまで通信速度が上がった。木造住宅とはいえ、1階と2階の無線LAN通信で701.7Mbpsも出れば上々だろう。

一般論として、無線LANアクセスポイントの設置場所と住居の構造によって、最適な設定は異なる。アンテナを動かして最適な「電波の飛び」を調整できる、WXR-2533DHPのメリットを感じ取れた。アンテナの調整は、大きなファイルを転送してネットワークのスループットを確認しつつ、WXR-2533DHPのアンテナを動かしながらスループットの変化を見るとよいだろう。

アンテナの向きを調整することで、同じ設置場所でも転送速度が変化。途中で乱れているのは、アンテナを触っていたためだ

アンテナ向きの調整に関しても一工夫ある。バッファローのWebサイトで「アンテナ設置ガイド」を配布しており、これを印刷して使う。

このアンテナ設置ガイド、WXR-2533DHPの標準的なアンテナ配置が型紙のようになっている。WXR-2533DHPの後ろにアンテナ設置ガイドを置き、型紙の図に合うように、WXR-2533DHP本体のアンテナ向きを調整する。標準設定のほかにも具体的な4種類の設定例があるので、アンテナ設置ガイドで仮設定したのち、実際のスループットを見ながら微調整するとよいだろう。

WXR-2533DHPは、安定感の高さと良い意味で見た目の地味さ、そして外部アンテナならではの、環境に合わせたアンテナ調整が可能という点に魅力を感じる。使い勝手を考えたセットアップカードやアンテナ設置ガイドも完成度が高く、設定しやすい作りは高く評価できる。逆の見方をすれば、アンテナが目立って本体サイズが大きい点は、人によってはデメリットにもなるだろうが、無線LANの親機はあまり買い替えるものではない。筆者個人としては、WXR-2533DHPのような安定性を重視するだろう。

アンテナの向きを調整すると、接続性や実効速度の向上が見込める。バッファローが配布しているアンテナ設置ガイドをダウンロードして印刷するとよい。写真のように、WXR-2533DHPとほぼ原寸大になっている。アンテナ設置ガイドの図に沿って、WXR-2533DHPのアンテナ角度を調整する

スマホから設定するときは「Station Rader」アプリを使う。ネットワーク上の機器をすぐに把握できて便利だ。下の二つは私物の機器だが、古い製品なのでスマホからは設定できない

アクセスポイントモード(機器一覧のBアイコン)でのログイン画面。概要だけが表示されるのでわかりやすい

WBモード(機器一覧のWBアイコン)でのログイン画面。モードによって表示項目がガラっと変わる

詳細設定画面はさすがに文字が多く、PC版(Webブラウザでアクセス)と変わりない

【左】こちらはPCのWebブラウザでログインした直後の画面。スマホ版と同じく概要が表示される。【右】無線LANの設定画面

詳細設定画面。基本設定よりも細かい設定が可能

WXR-2533DHPのUSBポートを使用した簡易NAS設定