Google検索の急上昇ランキング、2015年5月は「台風」や「噴火」という自然災害に関するワードが上位を占めた。

2015年5月のGoogle検索ワードの急上昇ランキング (データ提供 : Google)

つい先日も九州の豪雨で大きな被害が発生しており、梅雨から台風シーズンに向けて厳重な警戒が必要とされるほか、箱根や阿蘇山、口永良部島、浅間山にて活発な火山活動や噴火も相次いでいる。

本稿では、こうした災害と検索同行の関係を、過去の記録と照らしながら調べてみた。

今年は当たり年? 過去最速の台風襲来

2015年の台風6号は5月4日、ミクロネシア南部にあるカロリン諸島沖で発生し、フィリピンの東で猛烈な勢いに発達。12日には沖縄・奄美に接近し、その後温帯低気圧に変わったものの勢力は衰えないまま日本の南岸を北上。九州から関東にかけて各地で季節外れの暴風雨に見舞われた。

気象庁が公開した過去の台風発生数を調べてみると、例年の1~5月の台風発生数はおおむね3、4件といったところ。5月時点で6号が発生したのは1976年以来39年ぶりとなる。

この後、5月中に7号も発生したが、これは1965年以来だ。ちなみに1965年は9月に過去最大の瞬間風速69.8m/sを記録した台風23号に続き、24号と25号が相次いで上陸し、死者153名をはじめ全国で暴風と大雨による甚大な被害を引き起こした。

Googleトレンドによると、2004年以降の「台風」の検索ボリュームは下図のようになる。毎年9月を中心に、8月、10月などにピークが来ていることが分かる。

これを台風の発生数・日本への接近数のグラフと重ねてみた。

台風の発生数・接近数は個数。検索ボリューム推移(青い線)は最大値を100とする相対値

おおむねどの年も台風の接近数のピークと検索ボリュームのピークがほぼ重なっており、特に近年は接近の度に検索ボリュームが大きなピークを作っていることが分かる。2011年が転換点となっていることから、東日本大震災を機に災害の情報をネットに求める人が増加したのではないかと考えられる。

2015年7月7日より、新たに気象衛星ひまわり8号が正式に観測を開始するため、今年の台風シーズンには台風情報の精度がより高くなることが期待される。最新の情報を確認しつつ、停電や避難用の備えもお忘れなく。

ひまわり8号が捉えた台風6号。台風が発生すると追跡しながら2.5分ごとに画像が撮られ送信される(気象庁のWebサイトより)

「噴火」が一番気になる山は?

急上昇検索ワードランキング2位の「噴火」は、連休終盤の箱根で観測された火山活動と、29日に起きた口永良部島の噴火によって急上昇した。

こちらも同じく検索ボリューム推移を調べると、2004年の浅間山、2010年のアイスランド・エイヤフィヤトラヨークトル、2011年の九州・新燃岳など、大きな噴火が報じられたタイミングで検索量が増えていることが分かる。

最大のピークを記録したのは、長野の御嶽山が噴火した2014年9月だ。現地にいた登山者により撮影された動画がいち早く動画サイトに投稿され、噴火の様子が伝えられたことは記憶に新しい。

2015年に入ってからは、桜島がすでに600回以上の爆発的噴火を起こしているほか、5月上旬には箱根で活発な火山活動が観測され、現在も火口周辺への立ち入りが規制されている。また、5月24日は桜島と同時に阿蘇山が噴火。さらに5月29日には口永良部島の大噴火により、全島民が隣の屋久島へ避難することになった。

数々の火山活動が観測される中、Googleトレンドの関連検索ワードに注目すると、実はこれらの山の名前は挙がっていない。上位を独占しているのは、「富士山」だ。


箱根の火山活動が報じられた際も、箱根山そのものの噴火より、その活動が富士山噴火の引き金になるのではないかと心配する人も少なくなかったようだ。幸い、今のところその懸念は杞憂に終わっている。

筆者は29歳と解析されました(喜)

さて、4位にランクインした「how old net」は、写真から年齢が分析されると話題を集めたWebサービス。Microsoftの機械学習APIを研究するチームが顔認識のAPIを使って開発したもので、「How Old Do I Look?」というサービス名で提供されている。同サイトによると、このAPIの主な機能は次の通り。

【顔認識のAPI 主な機能】
1. 性別と年齢を写真から抽出する
2. 抽出されたデータをリアルタイムに解析する
3. 上記の結果からリアルタイムダッシュボードを作る

同サイトでは人名から検索されたWeb上の画像、または利用者が持っている画像から、写っている人の年齢・性別が判断され即時に表示される。

サービスの存在はSNSなどで一気に拡散したが、国内ではそれほど精度が高くないとの反応が多かったようだ。だが、逆にそれを利用してメイクを変えてみたり角度の違う写真を使ってどれだけ誤差が出るか試すという遊び方も編み出されていた。

もちろん、Microsoftの最終的な目標はちょっとした遊びではなくビジネスインテグレーションに活用すること。遊びでアップされた画像から解析されたデータが、どこかでビジネスに活かされる日はそう遠くないかもしれない。