IT技術の革新や、グローバル化によって世界の産業構造が大きく変化している。ドローンや自動運転車などの開発が進めば、将来的に運転や配達などの雇用に影響も与える。

激変の中で成長する職業はどれか? 米CareerBuilderが今後5年で雇用が増えそうな業種を発表した。米国ベースの予想ではあるが、ある程度参考になるかもしれない。

この調査は就職・転職情報サイトのCareerBuilderが、子会社の雇用市場分析サービスEconomic Modeling Specialists Intl(EMSI)の90以上の公開雇用データから割り出した予想となる。

米国では2014年~2019年に雇用人口が800万人、つまり5%増加すると見込まれており、特に雇用が1万以上(最低15%以上)増加する業種をリストアップしている。

一番多い、36%の増加が予想されているサービスは「翻訳・通訳」となった。2014年は3万4431人で、2019年には1万2401人増の4万6832人が従事すると予想している。Google翻訳など翻訳も機械化が進みつつあるが、今後5年の間は人間の知能の方が信頼されるということだろうか。

続いて29%の増加となったのは「医療施設(精神科と薬物乱用を除く)」。こちらは翻訳・通訳に比べてパイが大きく、2014年時点で20万5998人いるが、2019年にはさらに6万696人増の26万6694人になる見込みだ。3番目は「住宅リフォーム」で2019年まで26%の雇用増加だという。

4番目以降で2019年まで20%以上で増加する職業は

  • 「在宅ヘルスケアサービス」(2019年までに25%増)

  • 「ワイン・蒸留酒卸売」(同25%増)

  • 「電子ショッピング」(同23%増)

  • 「環境、保護、野生団体」(同22%)

  • 「高齢者向けヘルスケア・居住」(同21%増)

  • 「マーケティング・コンサルサービス」(同21%増)

  • 「理学療法、作業療法、言語療法、および聴覚機能訓練」(同21%増)

  • 「コンピュータシステム設計サービス」(同21%増)となっている。

ざっくり見て、介護を含む医療関係が中心といえそうだ。米国よりも高齢化が急速に進む日本でも、これらの職業は雇用増が期待できそうだ。

このほか、「インターネット出版・放送・Web検索ポータル」(2019年までに17%増)、「ネイルサロン」(同16%増)などが並ぶ。5番目のワイン・蒸留酒のほか、「ビール・エール卸売」も16%の増加が期待されている。